アミール・カーンは、
ライアン・ガルシアを正しい道へと導くために、直接コンタクトを取ることを計画している。
ガルシアは現在、
5月2日にタイムズスクエアでローリー・ロメロに喫した衝撃的な敗戦後に受けた手の手術から回復中だが、カーンは彼が肉体的な回復と同じくらい、感情面での立て直しを必要としていると考えている。
ライアン・ガルシアと同様に、元統一世界ジュニアウェルター級王者のカーンも10代でスターとなり、早くからメディアの強烈な注目を浴びる立場にあった。カーンは2004年アテネ五輪でわずか17歳にして銀メダルを獲得し、一夜にして英国を代表するスポーツスターのひとりとなった。
ガルシアにはカーンのような輝かしいアマチュア実績こそないものの、爆発的なSNSフォロワー数によって急速にキャリアを駆け上がった。しかし、その転落もまた急速で、2024年には器物損壊による逮捕や禁止薬物検査の陽性反応が報じられ、精神面の不安に対する懸念が一層広がる結果となった。
『ザ・リング・マガジン』が報じたように、ゴールデンボーイ・プロモーションズのトップであるオスカー・デ・ラ・ホーヤは、“キング・ライ”ことガルシアに対し、
手術後は心身を整えるためにも1年間の休養を取るべきだと考えている。そして今回、カーンも同様に、この期間を利用して専門的な支援を受けるよう助言している。
38歳のカーンは、
金曜夜にガーナで自身初となるプロモート活動を行ったばかりだが、『ザ・リング・マガジン』に対しこう語った。「ライアンには、友人として、そして彼のことを本気で心配している者として、腰を据えて話せる相手が必要だと俺は思ってる。」
「ライアンの周りにはたくさんの人間が集まってくるだろうけど、彼のことを本気で心配してるわけじゃない。みんな自分のちっぽけな名声のために近づいてくるだけだ。ライアンには、本物の人間、彼を助けようとしてくれる人たちが必要なんだと思うよ。」
「俺は彼と腰を据えて話す用意があるし、正直に向き合うつもりだ。正直言って、彼は酒を飲みすぎてるし、遊びすぎてると感じる。数か月前にドバイで会ったときも、いつもアルコールに酔っているように見えたよ。」
「ライアンに連絡を取ろうと思ってる。彼にはもう一度、原点に立ち返る必要があると思う。最初に自分をあの場所まで連れていったものを思い出すべきなんだ。人はよくそれを忘れてしまうからね──自分をそのレベルに導いたものを。」
「彼はあのレベルに戻る必要がある。基本に立ち返って、努力と献身、集中力を取り戻すべきなんだ。もしかしたら、地味で退屈だった日々に戻って、シンプルな生活を送ることかもしれない。それは一度セレブのような生活を経験してしまうと簡単なことじゃない。でも、彼にはまだ若さという武器があるからな。」
2025年最大級の番狂わせのひとつとなったガルシアの敗戦は、彼にとって初のウェルター級での試合だった。この敗北で戦績は24勝2敗(20KO)となった。ロメロとの試合では2回にダウンを喫したものの、その後も12ラウンドを戦い抜いた。しかし、判定は115-112が2者、そして118-109と大差がつき、敗北を喫した。
だが、まだ26歳のガルシアは、そのスター性によって、今後もデヴィン・ヘイニーとの再戦を含むビッグファイトのチャンスを手にし続けるだろう。完全にコンディションが整えば、再び注目の的になることは間違いない。
カーンはこう付け加えた。「俺はライアンのことが好きだし、彼は倒すのが本当に難しい相手だ。サイズもあるし、パワーもあるし、全部持ってるんだよ。」
「実際、ローリー戦を見ればわかると思うけど、試合は途中までは順調だった。けど、たぶん何かが起きて流れが変わったんだ。それで一発もらって、ドンと状況が一変してしまった。そこから立て直すことができなかったんだよ。」
「あのダウンがすべてを変えたんだ。でも、彼にはまだ時間がある。基本に立ち返って、すべてをもう一度積み重ねていけば、再びトップに戻れない理由なんてどこにもないさ。」