アラン・ピカソは、ほとんどの人々が自分を不利と見ている理由をはっきりと理解している。
彼は今や、世界最高峰の3人の一角と普遍的に評価される男との一戦を数日後に控えている。12月27日、サウジアラビア・リヤドのANBアリーナで
井上尚弥を破ることは決して容易ではないが、この対戦のすべてが、まるで映画の脚本から抜き出されたかのような雰囲気をまとっている。
ピカソ自身の視点では、ここが主役として物語に足を踏み入れ、スターへと駆け上がる瞬間だと信じている。
「本には、すべてが混沌とし始める章がある。物語で最も面白い部分が始まるところだ」とピカソは最近DAZNに語った。「自分はいま、まさにその瞬間にいると思う。これは、僕たちの人生を完全に変えることになる」
当然ながら、井上(31勝0敗、27KO)は2025年も精力的かつ圧倒的な活躍を続けてきた。32歳の『The Ring』誌認定およびスーパーバンタム級完全統一王者は、ヨ・ジュン・キムを下した後、4カ月後には
ラモン・カルデナスにも連続ストップ勝ちを収めている。一方、9月14日の元王者ムロジョン・アフマダリエフ戦のように、相手を倒し切る展開が見込めない場面では、このパウンド・フォー・パウンドスターは即座にプランBを選択。巧みにボクシングしながら動き続け、
危なげなく大差の判定勝利へと持ち込んだ。『ザ・リング』誌でスーパーバンタム級4位にランクされるピカソは、井上が何を持ち込んでくるかについて気にしていない。過去数年、彼自身も非常にアクティブに活動してきた。2024年には5試合をこなし、8月のアザト・ホバニシャンとの12回判定勝利を含め、無敗を維持している。
そして今年に入ってからは、7月19日に行われたマリオ・バリオス対マニー・パッキャオのアンダーカードで、
亀田京之介に10回多数判定勝ちを収めた。
ピカソ(32勝0敗1分、17KO)は母国メキシコでは長らく表舞台に立つ存在ではなかったが、いま人生最大のチャンスを与えられ、この週末、それを無駄にするつもりはない。
「この試合が何を意味するのかは、分かっている」とピカソは付け加えた。