アブラハム・ノバが
レイモンド・フォードの声を聞いた瞬間、思わず笑いがこみ上げた。
フォードはボクシング界屈指のトラッシュトーカーであり、土曜にサウジアラビア・リヤドで行われる
モーゼス・イタウマ対ディリアン・ホワイトのアンダーカード、
DAZN PPVの
ジュニアライト級10回戦でノバを痛めつけると豪語している。
だがノバはその言葉を信じていない。むしろフォードが自分にとって脅威になるかどうかすら疑っている。
「彼が最強の相手かどうかは土曜の夜にわかることだ」とノバはYouTubeチャンネル『Not Just Boxing』に語った。「断言はできない。もしかしたら一番楽な相手かもしれない」
当初、フォードの挑発を受ける立場にいるのはノバではなかった。本来そのポジションにいたのはアンソニー・カカーチだったが、約5週間前に背中の負傷で
出場を断念。
タイミングは決して理想的ではなかったが、経済的にもチャンスという意味でも、ノバは断ることができなかった。
ここ数年、31歳のプエルトリカンにとっては順調ではなかった。直近4戦で1勝2敗1分。しかし、ジュニアライト級のトップクラスとの経験は積んでいる。
一方フォードは、自身が世界屈指の存在だと信じて疑わない。WBAフェザー級王座を失い階級を上げて以来、オーランド・ゴンサレス、トーマス・マティスに勝利し、鋭さを増している。
自信は最高潮にあり、フォード(17勝1敗1分、8KO)はノバを倒せばタイトル戦のチャンスが転がり込むと確信している。さらにノバの過去の対戦相手には、自分のようなスタイルを持つ者はいないと断言する。
そこがノバにとっては滑稽に映る。フォードを弱い相手と断じるわけではないが、特別な存在だとは考えていないのだ。
「俺はオーシャキー・フォスターやアンドレス・コルテスといったエリートと戦ってきた」とノバは語る。「だから彼が最強だとは思わない。だが試合の夜に答えが出るだろう」