ほとんどの若いボクサーにとって、プロデビュー戦のチケットをさばくのは簡単だ。

家族や友人、その友人たちが、知っている誰かの試合を観たいという気持ちでチケットを買い占める。

しかし、その新鮮味はすぐに薄れ、幸運な一握りを除いては、同じ人々に再びお金を払わせることは次第に難しくなっていく。

王座戦線に到達したりテレビ放送に登場したりすれば再び関心は高まるが、ファンが成長が止まった、あるいは停滞していると感じれば、人気はすぐにしぼんでしまう。

そうしたファンを惹きつけ続けるのは容易ではなく、この競技のあらゆるレベルのファイターにとって課題となる。

世界ランク入りしているザック・パーカー（26勝1敗、18KO）は、精神的にも肉体的にも自分を試し、さらに世間の関心を再燃させるような相手を辛抱強く探してきた。

静かな時期が続いた数年を経て、高評価のライトヘビー級戦士がついに大物を捕らえた。11月1日、ダービー出身の31歳は、元WBO暫定ライトヘビー級王者ジョシュア・ブアツィ（19勝1敗、13KO）とマンチェスターのCo-Opライブ・アリーナで対戦する予定で、自らの実力を改めて示す機会を心待ちにしている。

「正直、ベッドから起き上がるのも大変だった」とパーカーは、大きな試合を待ち続ける苛立ちについて「ザ・リング・マガジン」に語った。

「ファンのみんなには『次は大一番になる、この試合が大一番だ』と言い続けてきた。

前回の試合はウィリー・ハッチンソンと戦うはずだったが、彼が試合の3、4日前にキャンセルしてしまって、本当にきつかった」

「ブアツィが試合を回避するなんて考えられない。これまでずっとプロフェッショナルだったし、自分はワクワクしている。ダービー全体が盛り上がっているし、みんなが自分を後押ししてくれている。マンチェスターに乗り込み、このチャンスを両手でつかみ取る準備はできている」

WBOランキング3位のパーカーは、かつて最高峰の舞台に手が届きかけたことがある。

彼はスーパーミドル級で尊敬されながらも敬遠される存在として長年過ごし、タイトルを積み重ねながら世界ランキングを駆け上がっていった。やがてクイーンズベリーが彼にチャンスを与え、パーカーはその機会を両手でつかんだ。3連続KO勝利で人気を高め、2022年11月には知名度の高いジョン・ライダーとのWBO暫定王座戦を手にした。

重度の骨折によって試合は早々に終わりを迎え、パーカーは自宅でライダーがカネロ・アルバレスに挑み、168ポンドの4団体統一王座を争う姿を見届けるしかなかった。

それ以来、パーカーは復活への道を探し続けてきた。

元WBA王者タイロン・ツォイゲに判定勝ちを収め、さらにハッチンソンが試合を回避した際にも集中を切らさず、175ポンドでの初めての本格的な試練となった過小評価のタフなフランス人、ミカエル・ディアロを下した。

ブアツィという相手を得て、パーカーはついに自身を新たなステージへと押し上げるに足る実績とスター性を持つ存在に巡り合った。WBOランキング6位の挑戦者を倒せば、世界タイトル戦線に堂々と名を連ねることになると彼は理解している。

「試合の話が持ち上がっても、結局流れてしまうことがよくある。プロモーターが試合について考えを変えることもあり、俺たちボクサーはただチャンスを待つしかないんだ」と彼は語った。

「この世界に長く身を置いてきた。自分の顔がポスターに載った瞬間に試合が決まったと実感するんだ。だから今はもう闘志がみなぎっている」

「ずっとこういうチャンスを待っていた。ブアツィは言うまでもなく大物で、オリンピックにも出場し、GBチーム出身だ。だからこそ、この試合に臨む自分は、次に何が待っているのかを理解したうえで挑むんだ」