無敗のプエルトリコ人コンテンダー、ザンダー・ザイアスにとって、ホルヘ・ガルシアがチャールズ・コンウェルを下すとは必ずしも予想していなかった。
しかし、3か月前のスーパーウェルター級戦で、13対1の大本命と見られていた
コンウェルが敗れたことに対して、ザイアスは驚きもしなかった。クリーブランド出身のチャールズ・コンウェル(21勝1敗、16KO)をスプリット判定で下したことで、ガルシアは今週土曜、ニューヨークで行われる
ザイアスとの12回戦──空位のWBO世界スーパーウェルター級王座決定戦──に駒を進めた。
「まったく驚かなかった」とザイアスは『ザ・リング』に語った。「コンウェルはワンパターンなファイターだ。自分のゲームプランが通用しなければ、修正できない。彼が負けるとまでは思っていなかったけど、戦術が機能しなければ対応できず、まさにそれが現実になった」
ガルシア(33勝4敗、26KO)は、ジャッジのクリス・ミリオーレとダミアン・ウォルトンからいずれも115-113の採点で支持されて勝利を収めた。一方、ルー・モレットは115-113でコンウェルの勝利とした。試合は4月19日、カリフォルニア州オーシャンサイドのフロントウェーブ・アリーナで開催された。
この勝利により、メキシコ出身の28歳、ガルシアはWBOのスーパーウェルター級ランキング2位に浮上した。対する22歳のザイアスは同ランキング1位に位置している。
今回の王座決定戦は、セバスチャン・フンドラがWBO王座の義務防衛戦としてザイアスと対戦する代わりに、ティム・チューとの再戦を選んで王座を返上したことで実現した。カリフォルニア州コーチェラ出身のフンドラ(23勝1敗1分、15KO)は、先週土曜にラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催されたマニー・パッキャオ対マリオ・バリオスのアンダーカードで、チュー(25勝3敗、18KO)を7回TKOで下している。
一方、フロリダ州サンライズ出身のザイアス(21勝無敗、13KO)は、自身のほうがコンウェルよりもガルシアを攻略する力があると確信している。
「ホルヘ・ガルシア・ペレスは典型的なメキシカン・ウォリアーだ」とザイアスは語った。「前に出てくるスタイルしか持っていないと思うし、本人もそれが唯一の勝機だと思っているだろう。プレッシャーをかけながら前に出てくるタイプだ。パワーもあるし、豊富な経験もある。チャールズ・コンウェルにも勝った。今この舞台に立っているのは正当な結果だ。でも俺にとって彼は、世界王者になるための次なるステップであり、キャリアで最も重要な試合だ」
スポーツブックのドラフトキングスでは、ザイアスがガルシアに対して4対1の有力候補と見られている。この試合はESPNの中継で、マディソン・スクエア・ガーデンのシアターから放送される予定で、12回戦のメインイベントとして行われる。ESPNのトリプルヘッダーは米東部時間21時(太平洋時間18時)にスタート予定。
ガルシアは、2023年1月にメキシコシティでブラジルのエトゥンディ・ミシェル・ウィリアム(当時10勝無敗)にスプリット判定で敗れて以来、8連勝中。その間にヘクター・アンドレス・レイエス(当時21勝無敗)、アンヘル・クルス・ジョンソン(当時10勝無敗)、コンウェル(当時21勝無敗)という3人の無敗ボクサーを下している。
「俺たちは同じ状況にあると思ってる」とザイアスは語った。「俺にとっても人生を変えるチャンスだ。違いがあるとすれば、俺は16歳でプロデビューしてからずっと脚光を浴びてきたこと。彼はそうじゃない。でも、俺も彼と同じ環境から出てきた。同じように苦労してきた。自分のチャンスを勝ち取ったのも同じだ。だからこそ、俺たちは同じ船に乗ってる。この人生最大のチャンスをモノにしなければいけない。だから、土曜の夜、それを実現する準備はできてる」
Keith Idec は『ザ・リング』上級記者兼コラムニスト。X(旧Twitter):@idecboxing