WBC(世界ボクシング評議会)の会長であるマウリシオ・スライマンは、トゥルキ・アル・シェイク閣下とダナ・ホワイトが立ち上げた新たなボクシングプロモーション「TKOボクシング」に関して、一切の懸念を抱いていないと断言している。
先週、トゥルキ・アル・シェイク閣下とTKOグループ・ホールディングス社は、エンターテインメント企業のSelaと共同で複数年にわたるパートナーシップを締結し、新たなボクシングリーグを設立すると発表した。TKOは現在、WWEとUFCの親会社でもある。
このプロジェクトには、選手育成、アスリートのトライアウトやアカデミー設立、ボクサー向けのUFCパフォーマンス・インスティテュートの活用、TKOの持つプロモーションおよび制作ノウハウの導入といった、多くの重要な要素が組み込まれる。
しかし、WBC、WBA、WBO、IBFの4大主要認定団体や、現在の有力プロモーターたちが将来的にボクシング界から排除されるのではないかとの懸念も浮上している。
だが、スライマンはこの新プロモーションを否定的に捉えておらず、「ボクシングにとって良い機会」だと前向きに考えている。
スライマンは
ESPNのインタビューで次のように語った。
「TKOボクシングに対して、一切の懸念も否定的な見解も持っていない。」
「ボクシングに新しいものが加わることは素晴らしいことだ。多くの人が憶測や陰謀論を展開しているようだが、まったくそんなことはない。」
「WBCとしては立場を明確にすべきだろう。それは、TKOボクシングを良い機会と捉えることだ。我々はこれまでも、どのような動き、企業、トーナメントに対しても支援してきた。」
「何十億ドル規模の共同事業として、TKOとUFC、WWEが手を組み、さらにトゥルキ・アル・シェイク閣下がこの2年間で成し遂げたことを考えれば、これはボクシング界にとって非常に大きなプラスになるはずだ。」
UFCの会長であるダナ・ホワイトは、新リーグの発表後、従来のように各団体が異なる王者を持つのではなく、「各階級に1人の王者のみ」が存在することになると明言した。
ホワイトはこう語った。
「チャンピオンは1人だけになる。UFCのような仕組みだ。我々のモデルはUFCのモデルと同じだ。」
「WBCやIBF、WBAなどの団体は、現在のプロモーターたちと取引を続けるだろう。しかし、我々はそうはしない。ボクシングの原点となる基本的な階級のみを設け、そこに1人の王者を決める。」
「そして、王者が誰なのかを知る方法はシンプルだ。彼らは熾烈な戦いを勝ち抜いて頂点に立つ。トップ5に入った時点で、その階級の最強5人が誰なのかが明確になる。そして、最終的に王者が決まり、彼がタイトルを防衛する。そうやってシステムが機能するのだ。」
ホワイトは、WWEの社長であるニック・カーンとともに、この新リーグを指揮する2人のリーダーのうちの1人となる。
ホワイトはこう付け加えた。
「WBCやWBAなどの団体は今後も存続するだろうが、彼らは我々とは関わらないことになる。」
リヤド・シーズンの統括責任者であるアル・シェイク閣下は、新リーグにおいて女子ボクシングが重要な役割を果たすことを明らかにし、また、スライマンが主導する『WBCボクシング・グランプリ』が新たな才能の発掘に貢献すると語った。
アル・シェイク閣下は次のように語った。
「市場はすでに準備ができている。しかし、成功には適切な人材が必要だ。ダナ・ホワイトは、このビジョンを実現できる唯一の人物だ。彼はまるでブルドーザーのような存在だ。」