ブルース“シュシュ”キャリントンが土曜の夜、エンリケ・ビバスに対して3ラウンドTKO勝ちを収めたことで、無敗のフェザー級コンテンダーである彼はWBCの126ポンド王座への挑戦権を得るはずだ。
その試合でスティーブン・フルトンが対戦相手になるかどうかは、まだ分からない。
27歳のキャリントンのプロモーターであるトップランク社は、WBCの挑戦者決定戦に勝利すればキャリントンがフルトンの指名挑戦者になると信じていた。ブルックリン出身のキャリントン(15勝0敗、9KO)は、ビバス(23勝4敗、12KO)との試合にWBCフェザー級1位として臨んだが、フルトンに対して次に戦うよう命じられたわけではない。
『ザ・リング・マガジン』が得た情報によると、潜在的な問題の一つは、WBCがフルトンの陣営――アル・ヘイモン率いるプレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)と提携している――に対し、WBCフェザー級王座の初防衛戦を元王者レイ・バルガスと行うよう文書で通知していることだ。
メキシコのバルガス(36勝1敗1分、22KO)は、2024年3月にサウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナで行われたイングランドのニック・ボールとの物議を醸した12回引き分け以来、1年以上試合をしていない。バルガスはその試合でボール(22勝0敗1分、13KO)に2度ダウンを奪われており、アンソニー・ジョシュア対フランシス・ガヌーの前座で行われたその12回戦に実質的に敗れていたように見える。
また、その前の試合では、アメリカのオシャキー・フォスターに敗れており、その際にはフェザー級からスーパーフェザー級に階級を上げていた。
試合から遠ざかっているバルガスは、フォスターと戦って以来、WBCのフェザー級「休養王者」の立場にある。フィラデルフィア出身のフルトンと、テキサス州ウェスラコ出身のブランドン・フィゲロアの陣営には、2月1日にラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われた再戦でフルトンが12回判定勝ちする前から、次にバルガスとの王座防衛戦を指令される可能性があることが知らされていた。
また偶然にも、30歳のフルトン(23勝1敗、8KO)がフェザー級からスーパーフェザー級に階級を上げ、フォスターとWBCの130ポンド王座をかけて対戦する可能性もある。フォスターは2023年2月、サンアントニオのアラモドームでバルガスに判定勝ちしてこの王座を獲得した。なお、フルトンは2023年7月、東京・有明アリーナで行われた井上尚弥(29勝0敗、26KO)との122ポンド王座統一戦で8回TKO負けして以来、フェザー級リミットでわずか2試合しか戦っていない。
もしフルトンが4ポンド上の階級に上げてフォスター(23勝3敗、12KO)と対戦する場合、トップランクはWBCに対し、キャリントン対バルガスの試合が「暫定王座戦」ではなく、正式なフェザー級世界タイトル戦として行われることを保証するよう求めている。
トップランクが懸念しているのは、フルトンがフォスターと対戦することで、以前バルガスがそうであったように「休養王者」としてWBCに認定される可能性だ。この「休養王者」という扱いを受けることで、フルトンは仮にフォスターに敗れた場合でも、再びフェザー級に戻って王座戦を行う道を残すことができる。
Keith Idecは『ザ・リング・マガジン』のシニアライター兼コラムニストであり、X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡を取ることができる。