イ・バンコク発――きょう開催中のWBC年次総会で、同団体は18階級すべてにおける指名挑戦者と各階級の最新状況を発表した。
大きな見出しのひとつとなったのが、マウリシオ・スライマン会長が、
スブリエル・マティアス対ダルトン・スミス戦を予定どおり1月10日に実施すると正式に認めたことだった。これは、ジュニアウェルター級王者マティアスが
先月VADA検査でオスタリンの陽性反応を示したにもかかわらず下された決定である。
先週、ニューヨーク州アスレチック・コミッションは、マティアスのAサンプルが0.085ナノグラム毎ミリリットルで、基準値を下回っていたことから、調査を継続しつつも
タイトル戦の実施を認める可能性があると、『ザ・リング・マガジン』に伝えた。
マティアスは1年間の保護観察処分を受け、来月までの間に、追加の検査を自費で受けることになる。一方、スライマン会長は、今回の陽性反応は数値が非常に低いことから、汚染されたサプリメントが原因である可能性が高いと自信を示した。
この保護観察処分は、マティアスが2度目の王座統治の初防衛戦として、シェフィールド出身のスミスとブルックリンのバークレイズ・センターで対戦することを妨げるものではない。この試合の勝者は、その後、指名挑戦者
アルベルト・プエジョと対戦するよう命じられることになる。
ヘビー級
オレクサンドル・ウシクは、自主防衛戦を行う権利を求めている。
一方、暫定王者アギット・カバエルは、1月10日にドイツ・オーバーハウゼンで行われる、ランキング20位デイミアン・クニバとの対戦で、
約1年ぶりのリング復帰を果たすことになる。
さらに、ランキング1位の
ローレンス・オコリーは、プロモーション同門の
モーゼス・イタウマとの最終挑戦者決定戦を指名された。
ブリッジャー級
ケビン・レレナは、かつてクルーザー級とヘビー級の間を行き来していたランキング1位リヤド・メルヒーとの対戦が決まっているが、現時点で日程や開催地は合意に至っていない。
不変の存在である暫定王者クリストフ・ヴロダルチクは、この勝者と最初の指名試合として戦うことを要望した。一方、アンドリュー・タビティ対クリス・テルジエフスキというもう一つの挑戦者決定戦も組まれており、こちらの勝者が第二の指名挑戦者となる。
クルーザー級
暫定王者
ミハウ・チエスラクは、高評価のヤミル・ペラルタとの対戦を試みたものの実現せず、次戦ではジャック対ミカエリアンの勝者と対戦することになる。また、長らく上位を維持してきたライアン・ロジッキーが第二指名挑戦者に定められた。
ライトヘビー級
アンソニー・ヤードに7回ストップ勝ちしたあとに自ら発表したように、デビッド・ベナビデスは
クルーザー級へ階級を上げ、2026年5月にWBA/WBO王者ギルベルト・ラミレスとの対戦を予定している。しかし、彼はその試合が終わるまで現王者としての地位を維持したいと要望した。
議論を経て、元WBO暫定王者
ジョシュア・ブアツィと
ベン・ウィッタカーが最終挑戦者決定戦で対戦することが決まった。
スーパーミドル級
その結果、暫定王者
クリスチャン・エンビリは、空位となったタイトルを懸けて
ハムザ・シェラーズと対戦することが義務付けられた。また、ルカ・プランティッチは、ハイメ・ムンギアもしくはレスター・マルティネスのいずれかと挑戦者決定戦で対戦することになる。
ミドル級
現王者カルロス・アダメスと
メイリム・ヌルスルタノフは、来年初めの対戦に合意している。一方、ヘスス・ラモスとシェーン・モズリー・ジュニアは、今週土曜日に行われるアイザック・クルス対ラモン・ローチのアンダーカードで
暫定王座を争う。
スーパーウェルター級
負傷から回復し、
当初予定されていた10月25日の試合が延期となっていた現王者
セバスチャン・フンドラは、2026年初めにキース・サーマンと対戦する。日程と開催地は追って発表される予定だ。
暫定王者
ヴァージル・オルティスと
ジャロン・エニスは合意に向けて交渉が大きく進展しており、来週にも締結される見通しとなっている。
過去1年間でWBCのマイナータイトルを獲得し防衛してきたランキング1位の
バカリ・サマケは、挑戦者決定戦でエルマル・ハドリベアイと対戦する。
ウェルター級
『ザ・リング・マガジン』のマイク・コッピンガーが報じたところによると、マリオ・バリオスは2026年第1四半期に、
WBC王座の3度目の防衛戦としてライアン・ガルシアと対戦する。
先月、クリス・ユーバンク・ジュニアへの敗北を雪辱したばかりのコナー・ベンは、この勝者の指名挑戦者として位置付けられた。また、マウリシオ・スライマン会長は、
スレイマヌ・シソコ(18勝0敗、9KO)に対し、キャリアを前進させる試合を探すことを約束した。
ジュニアウェルター級
チャンピオンの陽性反応報道によって1月10日のマティアス対スミス戦は一時不透明となっていたが、その後、試合は予定どおり実施されることが発表され、勝者は元王者アルベルト・プエジョと次戦で対戦することになる。
アイザック・クルスとラモン・ローチは、土曜日のPrime Video PPV大会のメインで空位の暫定王座を争う。
ライト級
3階級制覇王者シャクール・スティーブンソンはジュニアウェルター級へ上げ、
1月31日にRing/WBO王者テオフィモ・ロペスと対戦する。その後、Ringパウンド・フォー・パウンド8位のスティーブンソンには、次にどの階級で戦うかを15日以内に決める義務が課される。
ハディエル・エレーラとリカルド・ヌニェスは、カバエル対クニバ戦のアンダーカードで、数週間早く暫定王座を争う。
ジュニアライト級
前述のクルス対ローチ大会の一環として、
オシャキー・フォスターは土曜日に、130ポンド王座の防衛戦でスティーブン・フルトンと対戦する。
マーク・マグサヨとマイケル・マグネージは、1月31日に行われる挑戦者決定戦で対戦する予定だ。
フェザー級
スティーブンソンと同様に、フルトンも上階級でフォスターと戦ったあと、どの階級にとどまるかを決める必要がある。
暫定王者
ブルース・キャリントンは、1月31日にカルロス・カストロと対戦する。一方、ナサニエル・コリンズとクリストバル・リョレンテは、再戦となる最終挑戦者決定戦に向けて交渉中だ。
ジュニアフェザー級(スーパーバンタム級)
Ringパウンド・フォー・パウンド3位の
井上尚弥は、12月27日にデビッド・ピカソを相手に完全統一王座の防衛戦を行う。
そして、期待どおりに井上と、同じくパウンド・フォー・パウンド7位の中谷潤人が
Ring V大会で勝利した場合、両者のスーパーファイトが来年5月、日本で計画されている。
また、マーロン・タパレス対ブライアン・メルカドの挑戦者決定戦も合意に至った。
バンタム級
先月、那須川天心を下す見事なパフォーマンスを披露したばかりの
新王者・井上拓真は、2度目の王座統治の開始にあたり、自主防衛戦を行うことが可能となる。
フアン・フランシスコ・エストラーダと那須川天心を挑戦者決定戦で対戦させるための交渉が進行中であり、アンドリュー・ケイン対アレハンドロ・ハイル・ゴンサレスの挑戦者決定戦は2月6日に行われる予定だ。
ジュニアバンタム級
Ringおよび統一王者ジェシー・ロドリゲスは、フェルナンド・マルティネスに10回ストップ勝ちを収め、WBA王座を新たに加えたばかりで、現在は次の選択肢を検討している。
ローマン・ゴンサレスは最近手術を受けており、どれほどの期間試合ができなくなるのかは不明とされている。
状況を前に進めるため、ランキング上位2名である坪井智也とリカルド・マラジカに、挑戦者決定戦の可能性について協議するよう要請が出された。
しかし、ロドリゲスの今後やゴンサレスの状態など不確定要素が多いため、この試合は暫定王座決定戦へ格上げされる可能性もある。
フライ級
リカルド・サンドバルと暫定王者
ガラル・ヤファイは、ともに2026年の直接対決に先立ち、それぞれが暫定戦を行うことになっている。
ランキング7位のタナンチャイ・チャルンパクは、挑戦者決定戦で利用可能な最上位選手と対戦する見込みだが、本人はヤファイとの対戦を希望している。
ジュニアフライ級
カルロス・カニサレスは、ベネズエラの現状により12月4日に予定されていた王座防衛戦のために渡航できない状況となり、
先週「休養王者」に指定された。
その間も階級を停滞させないため、タマンノン・ニヨムトロンは金曜日に、急遽代役となったジュニオール・サラテと世界タイトルを争うことになっている。
また、エリック・バディージョは今週の勝者に対する指名挑戦者として位置付けられている。
ストロー級
メルビン・ジェルサレムは最近、
シヤコルワ・クセとの激しいポイント勝ちで王座を防衛しており、そのため再び統一戦の機会を狙いながら、自主防衛戦を行うことができる。
その一方で、同国人のジョーイ・カノイとクセは、最終挑戦者決定戦を行う予定となっている。
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