ファビオ・ワードリーは、ジャレル・ミラーに勝てば、今後12か月以内に世界ヘビー級タイトルを争うことになる。
これは、ワードリーと“ビッグ・ベイビー”ミラーをWBA暫定王座決定戦として、6月7日にイプスウィッチ・タウンのポートマン・ロードで対戦させると発表したプロモーター、フランク・ウォーレンによって示された青写真だ。
無敗のワードリー(30歳)は現在18勝1分(17KO)の戦績を持ち、『リングマガジン』のランキングでは9位、WBAのヘビー級ランキングでは1位に位置している。
このため、WBAはこの12ラウンド戦を暫定王座決定戦として承認。ウォーレンは、この勝利が世界王座挑戦への完璧な布石になると語る。
殿堂入りプロモーターのウォーレンは『ザ・リング・マガジン』にこう語った。「彼がこれに勝てば、12か月以内に世界タイトル戦に臨むことになる。勝てば、待たせることはしない。1〜2試合挟むことはあるかもしれないが、1年以内に世界タイトル戦に行く。」
「しかし、ジャレル・ミラーは非常に大きなステップアップになる。何が懸かっているかを考えれば、それに見合った扱いを受けるべき試合だ。これは暫定王座戦であり、ファンの中にはその価値を認めない人もいるだろうが、制裁団体の観点から見れば、こうした試合が選手を無視できない位置に押し上げるんだ。」
これはワードリーにとって、昨年10月12日にリヤドで行われたブリティッシュヘビー級王座リマッチでフレイザー・クラークを1ラウンドで粉砕して以来、初の試合となる。
一方のミラーは、2023年3月にドバイでルーカス・ブラウンを6ラウンドでKOして以来、勝利から遠ざかっており、その後はダニエル・デュボアにTKO負け、アンディ・ルイスとは引き分けている。それでも本人は「ワードリーは自分の手に負えない相手に手を出した」と主張している。
ウォーレンはこう語る。「これはファビオにとって大きな一歩だ。まさに正念場であり、彼が本当にどんな選手なのかを見極める時だ。
彼を見る時に忘れてはならないのは、彼にはアマチュア経験が一切なく、ホワイトカラー・ボクシング(一般人向けの興行)出身だということだ。そのバックグラウンドからこれだけの実績を積んできたという事実が、彼の実力を物語っているよ。」
「彼は本質的に“戦う男”で、ボクシングを心から愛している。彼はボクシング界の素晴らしいアンバサダーだ。話し方も立派で、いつも礼儀正しい。記者会見でのくだらないやり取りは別としてね。
それに彼には実力もある。昨年は“年間最優秀試合”に出場し、その再戦では“年間最高KO”かもしれないような勝ち方で決着をつけた。今回しっかり勝てば、彼が世界タイトルに挑戦する準備ができていることが証明されるだろう。」
ワードリーの同胞であるダニエル・デュボアは現在IBF王座を保持しており、『リング』誌王者オレクサンドル・ウシクはWBO、WBA、WBCの3本のベルトを所有している。