ニュージャージー州ニューアーク発 — ヴィト・ミエルニツキ・ジュニアは、2月14日にマディソン・スクエア・ガーデン内のシアターで行われた試合の第2ラウンド序盤、右のパンチでコナー・コイルにダメージを与えた。
本来ならその場面で、ミエルニツキは冷静さを保ち、無敗のミドル級コンテンダーであるコイルを計画的に崩していくべきだった。しかし実際には、その一撃が
ミエルニツキに本来の戦略を捨てさせ、やがて
コイルとの打ち合いに持ち込ませた。
その結果、両者が魅せた10ラウンドの接戦は、最終的にマジョリティ・ドローという判定に終わった。ミエルニツキ(20勝1敗1分、12KO)は、4カ月前の北アイルランド出身コイル(21勝無敗1分、9KO)との試合で自分が勝っていたと信じている。また、ニュージャージー州ローズランド出身の彼は、テキサス州スタッフォードにあるベテラントレーナー、ロニー・シールズのジムで積んでいる準備の成果を、試合のパフォーマンスに反映させなければならないことも自覚している。
「ここ2試合、自分の基準に見合う戦いができていないと感じてる」とミエルニツキは『ザ・リング』に語った。「だから今回、一番大事なのは“自分自身のために”最高のパフォーマンスを見せることだ。これだけ努力してるんだから、その成果を出すに値すると思う。時間も犠牲も払ってきたし、それを試合当日に報われる形にしなきゃいけない。土曜の夜、それを実現することが俺の一番の目標だよ」
ミエルニツキは、コイルとの引き分けの前の試合でも、本来ならもっと楽に勝てたはずのところを自ら難しくしていた。イタリアのカリル・エル・ハラズ(16勝6敗1分、6KO)には、ジャッジ2人が100-90と98-92で圧勝を支持したが、トニー・パオリロ判定員が95-95の引き分けと採点したため、結果はマジョリティ判定勝ちにとどまった。
コイル戦では、3者すべてのスコアカードが接戦となった。トム・カルソーンはミエルニツキに96-94で勝利をつけたが、ケン・エッゾとケビン・モーガンの両氏は95-95のドローとした。
なお、コイルは当時WBAミドル級ランキング3位に位置しており、この引き分けによりミエルニツキはWBA世界ミドル級王者エリスランディ・ララ(31勝3敗3分、19KO)への挑戦権争いに近づく機会を逃した。
「俺は7対3、もしくは6対4で勝ったと思ってる」とミエルニツキは語る。「でも、まあこれがボクシングってもんだ。3人のジャッジが、それぞれ違う角度から試合を見ているからな。いい試合だったとは思う。興奮感があった。それがポジティブな点だ。でもネガティブだったのは、“自分がすべきだった試合”じゃなかったことだ。もっと楽に試合を運べたはずだった。正直言って、4ラウンドか5ラウンドで止められたと思ってる。
「試合の序盤、コーナーに戻った時にロニー(・シールズ)から『この相手は倒せるぞ』って言われたんだ。でもそこから俺は、落ち着いて成熟したファイトで相手を崩すというより、試合の盛り上がりに乗ってしまった。だから自分のパフォーマンスには満足してない。ディフェンス面の欠陥も出てしまったし、自分の全体的な戦いぶり、すべての面でもっと良くできたはずだと思ってるよ」
ミエルニツキ対ガージェリク戦のアンダーカードの中継は、土曜午後5時15分(米東部時間)からESPN+で開始される予定。ミドル級では、ボルチモア出身の
ロレンツォ・シンプソン(15勝2敗、9KO)と、ニューヨークの
ジャヒ・タッカー(14勝1敗1分、6KO)が、10回戦のセミファイナルで対戦する。
Keith Idec は『ザ・リング』誌の上級ライター兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。