オマリ・ジョーンズは、2024年パリ五輪に出場したアメリカ代表8人のうちのひとりであり、ウェルター級(71キロ級)で銅メダルを獲得した唯一のメダリストとなった。
しばらくの間、ジョーンズは「オリンピックでメダルを獲得した最後のアメリカ人ボクサー」として語り継がれる存在になるかもしれない――そんな懸念さえあった。
オリンピックのボクシング競技は一時存続が危ぶまれていたが、3月20日、国際オリンピック委員会(IOC)が全会一致で採用を可決し、2028年ロサンゼルス大会での正式種目復帰が決定した。
「信じられないくらい嬉しいよ。『なくなるかもしれない』って話を聞いていたから、戻ってきたことが本当にありがたい」とジョーンズ(1勝無敗、1KO)は『ザ・リング』の取材に語った。インタビューは、ジャロン・エニス対エイマンタス・スタニオニスのウェルター級王座統一戦(アトランティック・シティ/DAZN中継)のアンダーカードで、プロ2戦目を控えるタイミングで行われた。
「ボクシングはオリンピック創設当初から続く競技のひとつ。それを外すなんて、このスポーツへの冒涜だったと思う。だから、アメリカのチームメイトたちも、世界中のアスリートたちも、もう一度夢を追えることになって本当にうれしい」。
ジョーンズにとって、オリンピックはただの通過点ではない。それは彼の哲学そのものであり、今年1月にはその思いを込めた著書『The Journey of an Olympian(オリンピアンの軌跡)』を出版している。フロリダ州オーランド出身、現在22歳。彼は一度は再びオリンピック出場を目指すことも考えたが、最終的にはマッチルーム・ボクシングと契約を結び、次なる夢――2028年までに世界王者になるという目標に切り替えた。
先月、プロデビュー戦で第2ラウンドKO勝利を収めたジョーンズは、これからは自らの後を託す存在として、次世代に“バトンを渡す”立場となる。2028年大会で注目すべきアメリカ代表候補として、ロビー・ラヒーム・ゴンザレス、ジャマル・ハーヴィー、ハハイラ・ゴンザレス、モレル・マッケイン、ジェニファー・ロサーノの名前を挙げた。
「彼らが代表に選ばれて、金メダルを狙ってくれることを願ってる」とジョーンズは言う。「表彰台に立ったとき、自分が何年も書き出して、何度も祈り続けた夢が現実になったと感じた。あの瞬間を超える体験は今のところない。アメリカ代表としてあの舞台に立てたことを、心から誇りに思ってる」。
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任ライターである。X(旧Twitter)およびInstagramでは@ManoukAkopyanで連絡可能。