エリク・モラレスは、2018年に国際ボクシング殿堂入りを果たし、すでにボクシング史にその名を刻んだ存在だ。
メキシコ人初の4階級制覇王者であるモラレスの名の隣には、いずれ
サウル“カネロ”アルバレスも加わるだろう。その前にカネロは、
9月13日、ラスベガスでテレンス・クロフォードと対戦し、スーパー ミドル級4団体統一王座の防衛戦に臨むことで、自らの偉大なキャリアにさらなる勲章を加えようとしている。
モラレスはこのスーパーファイトについて見解を語り、サイズ差、カネロのパンチ力、クロフォードの耐久力といった要素を挙げ、どちらに転んでもおかしくない試合になると予想する。
「カネロはこれまで多くの階級を渡り歩いてきたし、この試合がとても重要なものだということもわかっている」とモラレスは通訳を通じて
ザ・リング誌に語った。「クロフォードはこの試合のために2階級上げてきたが、カネロももともとは147ポンドから上がってきた。カネロが強打者で体も大きいなら、公平な試合ではない。」
モラレス(52勝9敗、36KO)は、マニー・パッキャオやマルコ・アントニオ・バレラといった殿堂入り選手に勝利した輝かしいキャリアを持ち、スーパーバンタム級、フェザー級、スーパーフェザー級、スーパーライト級で世界王座を獲得してきた。最後のタイトル獲得は2011年9月17日、パブロ・セサール・カノを10ラウンドでストップし、WBCスーパーライト級王座を手にした一戦だった。
48歳のモラレスは、
ハイメ・ムンギアのトレーナーを2度務めたことでも知られているが、ムンギアは2024年5月3日の
ブルーノ・スラーチェ戦でエディ・レイノソと組む道を選んだ。
カネロ(63勝2敗2分、39KO)は、140ポンド級でプロキャリアをスタートし、スーパーウェルター級、ミドル級、スーパーミドル級、ライトヘビー級で世界タイトルを獲得した。
一方、クロフォード(41勝無敗、31KO)は、2階級で4団体統一を成し遂げた王者。ライト級で初の世界王座を獲得した後、スーパーライト級とウェルター級で統一王者となった。前戦では2024年8月3日、
イスライル・マドリモフを下してWBA世界スーパーウェルター級王座を獲得しているが、154ポンド以上では一度も戦ったことがない。
しかし疑問符も残る。スカル戦でカネロは精彩を欠き、スカル自身も打ち合う姿勢を見せなかったため、近年稀に見る退屈な世界戦になってしまった。そして、37歳のクロフォードが13ヶ月のブランクを経て2階級上げてくるという要素も加わり、「この時代の最強」を決める稀有な一戦は、さらなるドラマを帯びている。
カネロは本来の体格では大きい選手だが、クロフォードは身長で1インチ上回り、リーチも長い。**14ポンド上げてくるにもかかわらず、このアドバンテージを持っているのだ。
モラレスは、そのフィジカル的優位に加えて、クロフォードの技術、そしてサウスポー・オーソドックスの両構えを使いこなせることが、この試合の予測不能さをさらに高めていると語る。
「クロフォードはリーチのある選手だ」とモラレスは語った。「スピードもあるし、戦い方の技術も優れている。この試合では色々なことが起こり得る。12ラウンドの中でお互いに探り合う展開になるかもしれないが、予定通りに進めばクロフォードが勝つ可能性は十分にある。」