無敗の相手を3人。戦った大陸は3つ。そして勝利も3つ。
これは、知られざる英雄
ウイスマ・リマが成し遂げた快挙だ。ドイツではハロ・マテヴォシアンに10回終了TKO勝ち、カナダではサクディープ・シン・バッティに12回判定勝ち、そして直近の南アフリカではシャーヴァンタイ・クープマンを9回TKOで下し、いずれも番狂わせを演じた。
前述の3人はいずれもリマとの対戦時点で無敗、合計戦績は52戦52勝だった。
海外で戦うことに一切動じないリマは、ポルトガルを拠点とするアンゴラ出身の32歳。そんな彼にとって、クープマン戦の勝利はいくつかの理由で特別な意味を持っていた。
「アフリカで試合をすることができて特別だったよ。自分が生まれた大陸だからね」と、リマ(14勝1敗10KO)はマネージャーのジョン・マクファディエンを通じて
『ザ・リング・マガジン』に語った。「無敗の相手とのいい試合だった。彼はリーチが長くて、ジャブも上手くてやりづらかったけど、コーチの指示通りの戦術を守って、しっかり勝ちきったよ」。
危険な存在として知られるこのジュニアミドル級のファイターは、アウェイでの試合にも動じることはなく、今後もしばらくはその状況が続くだろうと考えている。
「これまでずっとアウェイで戦ってきた。ポルトガルにはボクシングと呼べる環境なんてほとんどないけど、それでも自分には十分すぎる実力があることを証明してきた」と彼は語った。
実際、リマはすでに次なるターゲットを見据えている。
「今、一番戦いたい相手は
セルヒイ・ボハチュクだ」と彼は語った。「彼は世界でもっとも敬遠されているファイターの一人だけど、自分にとってはスタイル的に相性がいいと思っている。それに彼はWBCの1位でもあるし、自分はWBCのタイトルを獲ることを夢見ているんだ」。
マクファディエンもまた、WBCランキング9位のリマと同じ考えだ。
「本気でボハチュクを追いかけている」とマクファディエンは語った。「誰も彼と戦いたがらないが、うちにとっては十分に勝てる相手だと見ているよ」。
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