タイソン・フューリーは、イギリスのヘビー級ライバルである
アンソニー・ジョシュアとの対戦で復帰するという噂を一蹴し、現役復帰の条件は「オレクサンドル・ウシクとの3度目の対戦のみ」と強調した。
「もし戻るとしたら、相手はウシクしかいない。ただし、イングランドで公正な結果が得られることが条件だ」と、フューリーはトルコ・イスタンブールで行われたIBAのイベントで語った。
「それが俺の望む一戦だ。次にやるなら、その試合しかない。これまで50回は勝った気分で、そのたびにウシクが勝つ道は一度も見えなかった。でも、あいつらはやりたいようにできる。連中が『火曜日だ』と言えば、それが火曜日ってことになる。俺はいつも言ってる。誰の意見にも興味はない。自分の人生に実害が出るまではな。」
フューリー(34勝2敗1分、24KO)は、2024年に
オレクサンドル・ウシク(23勝無敗14KO)に2度敗れている。最初の敗戦は5月18日に行われ、スプリット判定によるものだったが、第9ラウンドでフューリーは大きなダメージを受けてダウンを喫し、試合がストップされてもおかしくない状況だった。
2度目の対戦は12月に行われ、ウシクがより明確な形で勝利を収めた。ジャッジ3者全員が116-112でウクライナ人のウシクに軍配を上げた。
数週間後、フューリーはボクシング界からの引退を発表した。それにもかかわらず、アンソニー・ジョシュアのプロモーターであるエディ・ハーンを中心に、「イギリス史上最大のビッグファイト」を実現させるため、"ジプシー・キング"を引退から呼び戻そうという動きが取り沙汰されている。
しかし、フューリー自身はその話に乗り気ではないようだ。
彼は続けて語った。「俺が戻る理由ってなんだ?すべてのベルトはもう手に入れたじゃないか。ボクシングへの愛が自分の健康を上回るかって?健康は何よりも大切だ。自分の財産は、結局のところ健康だからな。」
「このスポーツは素晴らしいし、今の自分にあるものはすべてボクシングのおかげだ。本当に感謝してるよ。」
「ボクシングとは25年間、愛憎入り混じった関係だった。どんな偉大な関係にも浮き沈みはつきものだけど、この競技において避けられないのは、自分が選んだ道を自分で受け入れること。そして、今でもボクシングのことは心から愛している。定期的にトレーニングもしているし、そういったことはすべて今でも続けているよ。」
「金も稼いだ、女も抱いた、そしてリングから降りた。最高の日々だったよ。家族のもとに帰って、今は幸せだ。今はモアカムの自宅で暮らしていて、1日2回トレーニングしてるし、外にも出かける。飲みたいときにビールも飲めるし、食べたいものを食べて、夜更かしもできる。好きなことを好きなようにできるんだ。なぜかって?それだけのことをやってきたからさ。」