タイソン・フューリーは、自身の復帰が間近だという噂に対し、「引退しているし、これからも引退のままだ」と明言し、復帰を否定した。
最近、SNS上で2度のヘビー級世界王者である彼の復帰を示唆する投稿が相次いでいたが、本人はこれをきっぱりと否定している。
まずフューリーは、トレーナーのシュガー・ヒル・スチュワードと共にジムでトレーニングする様子を収めた動画を投稿。その後、マネージャーのスペンサー・ブラウン、そして父親のジョンと「ビジネスミーティングが成功した」と発表した。
さらにブラウンは、試合時の体重に近づいて見えるフューリーが、新たにボクシングシューズとショーツを購入したことを明かし、復帰の憶測をさらに強める結果となった。
36歳のフューリーは、2024年に
オレクサンドル・ウシクに連続して判定負けを喫して以来、リングから遠ざかっている。これらは、彼の華々しいヘビー級キャリアにおける初黒星だった。しかし、最近のSNSでの投稿は、ロンドン出身のアンソニー・ジョシュアとの“英国頂上決戦”がついに実現するのではないかという期待を呼び起こしていた。
しかし今回、フューリーは「ボクシングに戻って成し遂げるべきことはもう何もない」と明言し、その憶測に再び冷や水を浴びせた。
「“ジプシー・キングがボクシングに戻る”って話をよく耳にするけど、俺はこう問いかけたい。『何のために?』って。何のために戻るんだ? もっとベルトが欲しいのか? 俺は22本も獲得してきた。自分がやってきたこと、成し遂げたことに満足してるし、誇りに思ってるよ」
「世界中を回って、またこうして戻ってきた。これが“ジプシー・キング”の引退生活ってやつさ。悪くないだろ。ボクシングに戻って顔を殴られるなんて、急いでやることじゃない。何のために? 何のために戻るっていうんだ? 俺はもう引退してるし、これからもそのまま引退を続けるよ。誰かに証明することなんて何もないし、戻る理由もひとつもない」
モアカム出身のフューリーは、今年1月に戦績34勝2敗1分(24KO)を残して引退を表明。ウクライナのオレクサンドル・ウシク(23勝0敗、14KO)は、初対決でフューリーからWBC王座を奪い、ヘビー級4団体統一王者の座に就いた。
両者による3戦目の実現も取り沙汰されていたが、今回のフューリーの発言により、その可能性にも終止符が打たれたかたちとなった。