ラスベガス――
ティム・チューにとって、今回の戦いはまさに「殺るか殺られるか」だ。
7月19日、MGMグランドでWBC世界スーパーウェルター級王者
セバスチャン・フンドラとの再戦に臨むオーストラリアのチューは、再び激闘を覚悟している。
初戦はまさに壮絶な死闘だった。血みどろの戦いはスプリット判定でフンドラに軍配が上がったが、チューは額に深い裂傷を負い、第3ラウンド以降は激しい流血の中で戦い抜いた。
一方で、チュー(25勝2敗、18KO)もフンドラ(22勝1敗1分、14KO)にダメージを与え、あと一歩で勝利に届くかという惜しい内容だった。
「俺たちは命懸けの戦いをした。本当に戦争だった」とチューは『ザ・リング』に語った。
「彼だって楽な試合じゃなかった。ボロボロだった。とんでもない試合だったよ。あの戦いで自分の心の強さを試せたし、どんな状況でも前に進めると証明できた。
言い訳なんてしない。命を懸けて戦った。俺にはまだ証明すべきことがあるし、あのときの過ちを正すチャンスだ。
何が必要か、何をすべきかはわかってる。それを肌で感じている。」
チューのキャリアは、2024年3月にフンドラと初対戦して以来、足踏み状態が続いている。
同年8月には
ヴァージル・オルティス・ジュニアとの対戦が予定されていたが、5月31日にキャンセルとなった。キャリア初黒星で負った裂傷の回復が思わしくなく、スパーリングが安全に行えないと判断されたためだ。
その後、チューはIBF王者
バフラム・ムルタザリエフに挑戦したものの、無敗の王者にわずか3ラウンドで一方的に押し切られ、敗北を喫した。
しかし、2025年4月5日、
ジョセフ・スペンサーを4ラウンドTKOで下し、ようやく白星を取り戻している。
「失敗のない成功の物語なんて存在しないと思ってる」とチューは語った。
「道中に少しつまずいたからといって、すべてが終わるわけじゃない。今年は“復讐の年”になる――自分にとってはその言葉がぴったりだ。スペンサー戦から始まって、これからも突き進んでいくつもりだ。」
昨年の挫折があったにもかかわらず、チューは現在もオッズ上では有利と見られている。ドラフトキングスではチューが-170、フンドラが+135の評価となっている。
「フンドラとの戦いにテクニックなんて通用しない」とチューは語る。
「俺たちはどちらも前に出て打ち合うタイプだ。距離を取ってじっくり戦うのは難しい。彼は背が高いから、結局は“戦い”にしなければならない。誰であれ、彼とやるならタフな夜になる。」
「やれるなら、あの時俺を仕留めるべきだった。俺はあのリングで死ぬ覚悟だった。その覚悟が俺を支えていた。一番つらかったのは、途中で自分を見失ったことだ。第3ラウンドから第9ラウンドまでは、もはや自分じゃなかった。終盤に修正できたが、少し遅すぎたんだ。」
「当然、これは戦争になる。でも、準備はできている。」
Manouk Akopyanは『ザ・リング』の主任ライター。X(旧Twitter)およびInstagramでは @ManoukAkopyan をフォロー。
ukAkopyan