バージニア州ノーフォーク発――デランテ“タイガー”ジョンソンは土曜夜、退屈気味の観客を沸かせることはなかったが、無敗記録を守った。
2021年の米国五輪代表であるジョンソンは、スコープ・アリーナで行われたアブドゥラ・メイソン対ジェレミア・ナカティラ戦のアンダーカードで、地味な展開となったウェルター級10回戦において、ジャブと時おり放つ右ストレートを武器にジャネルソン・ボカチカをアウトボックスした。
ジョンソンは試合の大半でボカチカのパワーを警戒し、パンチを打ち切らない場面も多かったが、ディフェンス重視の戦略によって試合を通じてボカチカの右を回避することに成功した。
クリーブランド出身のジョンソン(15勝0敗5KO)は、マーク・ダティリオ(100-90)、ブノワ・ルーセル(97-93)、スティーブ・ワイスフェルド(98-92)の3人のジャッジからいずれも大差の採点を受け、判定勝ちを収めた。デトロイト出身のボカチカ(17勝4敗1分11KO、1無効試合)は、直近4試合で0勝3敗1分と苦戦が続いている。
第10ラウンドの最終回に突入した時点で、ボカチカが勝つには明らかにノックアウトが必要な状況だった。
ボカチカは最終回の終盤に見せ場を作ろうとパフォーマンスを見せたものの、試合の流れを変えるための積極的な行動には出なかった。ラウンド開始から1分も経たないうちに、ジョンソンのクリーンヒットとなる左フックを受け、ボカチカはニュートラルコーナーでクリンチに逃れた。
第9ラウンドに入る頃には、ボカチカは疲れを見せ始め、ジョンソンへのプレッシャーをかけるのをやめていた。
第8ラウンドの中盤直前、ジョンソンの左フックがボカチカの意識を引きつけた。この一撃はそれまでの試合でジョンソンが放った最も効果的なパワーパンチとなり、これまでよりも攻撃的な姿勢を見せる意思があることを示していた。
第7ラウンド序盤にはようやく試合が動き、ボカチカが左フックをヒットさせると、ジョンソンもすぐさま左フックで応戦した。しかしその展開は長く続かず、両者はそれまでの6ラウンドと同様の慎重な攻防に戻っていった。
第6ラウンド、ジョンソンがジャブを突きながら積極的な打ち合いを避けたため、ボカチカは苛立ちを見せた。
第6ラウンド開始のゴングが鳴ると同時に、ボカチカはジョンソンに向かって突進したが、ジョンソンはすぐにクリンチで動きを封じ、クリーンヒットを許さなかった。
第5ラウンドは動きが少なく、観客からブーイングが起こった。ボカチカはジョンソンに対して打ち合いを促し、もっとボクシングを控えるよう挑発したが、ジョンソンは冷静に自身の戦術を守り続けた。
第4ラウンドでは、ジョンソンがグローブでボカチカのパンチを着実にブロックし、両者は接近戦でたびたびクリンチとなる場面が見られた。
第3ラウンドでは、ジョンソンのディフェンスが機能し、ボカチカの左フックや右ストレートを何度もかわすことに成功した。また、このラウンドでもジョンソンのジャブは効果的だった。
ジョンソンの試合の前に行われた一戦では、無敗のトロイ・アイスリーがエトゥンディ・マイケル・ウィリアムの巧みな戦術に苦しみながらも耐え抜き、ミドル級10回戦を判定勝ちで制した。
ウィリアムのパワーにより、アイスリー(15勝0敗5KO)は時折距離を取って戦う展開を強いられたが、3人のジャッジはいずれもアイスリーの手数を評価した。ブライアン・コステロはアイスリーに8ラウンドを与え、スコアは98-92と採点。一方、ポール・ウォレスとデイブ・ブラスローはそれぞれ96-94と、僅差ながらもアイスリーを支持した。
ブラジル出身のウィリアム(16勝2敗12KO)は、昨年10月25日にメキシコのホセ・ボレゴ(22勝4敗18KO)に判定で敗れて以来、今回が2試合連続の10回戦ユナニマス・ディシジョン負けとなった。
Keith Idecはザ・リング・マガジンの上級ライター兼コラムニストであり、X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡を取ることができる。