スティーブン・ナバロは、ボクシング一家である自分たちの家族にふさわしい形で、母方の祖父の思い出に敬意を表した。
21歳のスーパーフライ級有望株ナバロは、ラスベガスのパームス・カジノ・リゾート内パール・シアターで行われたリチャード・トーレス対グイド・ヴィアネッロのアンダーカードにて、メキシコのベテラン、フアン・ガルシアを8回戦の第4ラウンドでストップした。カリフォルニア州イングルウッド出身のナバロにとって、この勝利は祖父フランシスコが亡くなってからおよそ1か月後に訪れたものだった。
レフェリーのアレン・ハギンズが試合を早めに止めたとはいえ、ハンドスピードがあり、力強いナバロ(6勝0敗、5KO)は一方的な第4ラウンドでガルシアに打ち込み始めており、展開は明らかだった。
ガルシア(14勝2敗2分、11KO)は最後までダウンせず、ストップの判定に抗議したが、試合は第4ラウンド2分46秒で正式に終了した。メヒカリ出身の27歳、ガルシアにとってこれはプロ18戦目にして初のKO負けとなった。
インテリジェントでスキルのあるガルシアは、第1ラウンドに多彩なパンチをヒットさせ、右アッパーカットなどで好スタートを切った。ナバロはその最初の3分間ではガルシアほど正確な攻撃ができていなかった。
第2ラウンドも競った展開だったが、第3ラウンドになるとナバロはミドルレンジでの戦いに自信を見せ始め、サウスポーとオーソドックスの構えを切り替えながらストレートの左を何度も決め、ディフェンス面でも対応が良くなっていった。
第4ラウンドでもナバロは攻撃を継続し、ガルシアの鼻筋にカットを作った。この頃にはガルシアの動きが明らかに崩れ始めており、それがハギンズによるストップの判断につながった。
スティーブン・ナバロの勝利の前には、ジュニアミドル級のホープ、アート・バレラ・ジュニアが第2ラウンドTKOでダイジョン・ゴンザレスに勝利した。
カリフォルニア州リンウッド出身のバレラ(8勝0敗、6KO)は、第2ラウンド終盤に左フックでゴンザレス(12勝6敗、6KO)を2度ダウンさせた。アイオワ州ダベンポート出身のゴンザレスが2度目のダウンから立ち上がった直後、バレラが一気に攻め込んだことで、レフェリーのトーマス・テイラーが試合をストップ。試合終了は第2ラウンド2分56秒だった。
またその前には、ミドル級のジャヒ・タッカーがトロイ・ウィリアムソンをアウトボックスし、1度のダウンを奪い、他にも何度かダメージを与えた末に、8回戦をユナニマス・デシジョンで勝利している。
ニューヨーク州ディアパーク出身のジャヒ・タッカー(14勝1敗1分、6KO)は、ジャッジのクリス・ミリオーレ、リカルド・オカシオ、デイビッド・サザーランドの全員から99-89のスコアで一致した判定勝利を収めた。イングランドのトロイ・ウィリアムソン(20勝4敗1分、14KO)は、第2ラウンドに右アッパーカットでダウンを喫し、これで判定負けは3連敗となった。
タッカーの勝利の直前には、ジュニアライト級のホープ、DJザモラがヒューゴ・カスタネダを3度ダウンさせ、第4ラウンド中盤に予定されていた8回戦をストップ勝ちで終えている。
ラスベガス出身のザモラ(16勝0敗、11KO)は、第4ラウンドの中盤に右左のコンビネーションでメキシコのカスタネダ(15勝2敗1分、11KO)を片膝ダウンに追い込んだ。レフェリーのラウル・カイズ・ジュニアは、これが3度目のダウンとなった時点で即座に試合を止めた。
第4ラウンド、レフェリーのラウル・カイズ・ジュニアはヒューゴ・カスタネダの様子を注意深く見守っていた。というのも、ザモラが第3ラウンドに2度ダウンを奪っていたため、第4ラウンド開始前にはリングドクターによる診察も行われていた。
この全9試合の興行のオープニングバウトでは、ロサンゼルス出身のサミー・コントレラスがロバート・ヒメネスに初回ノックアウト勝ちを収めた。
21歳のコントレラスは、プロデビュー戦で強烈な印象を残した。第1ラウンド残り47秒、パワーパンチの連打を浴びせ、ヒメネスが片膝をつく形でダウン。レフェリーのロバート・ホイルは、ヒメネスが倒れる直前にすでに試合を止めようと動いていた。
アイダホ州ナンパ出身のヒメネス(2勝3敗1分、1KO)にとっては、これがプロ初のKO負けとなった。
Keith Idec は『ザ・リング・マガジン』の上級記者兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。