テレンス・クロフォードは、自分が
カネロ・アルバレスをノックアウトできないと疑う声がある理由を理解している。
クロフォードは、2階級上げてカネロに挑む立場だ。対戦するのは、
The Ring、IBF、WBA、WBC、WBOのスーパーミドル級王座。カネロはここ5年半にわたり、168ポンド以上の体重で戦い続け、10人のスーパーミドル級選手、元統一ライトヘビー級王者セルゲイ・コバレフ、現ライトヘビー級4団体統一王者ドミトリー・ビボルといった強豪たちのパンチにも動じていない。
クロフォード(41勝0敗、31KO)がウェルター級のリミットである147ポンドを超えて試合をしたのは、これまでに一度だけ。その試合では、イスライル・マドリモフを12ラウンドのフルラウンドで判定(3-0)で下したが、これによって自身の11連続KO勝利は止まった。
元ウェルター級およびスーパーライト級の4団体統一王者であるクロフォードは、それでもなお、自身の過去最高体重での試合でもパンチ力には絶対の自信を持っている。また、スパーリングで重い階級の相手からパンチを受けることと、9月13日にラスベガスのアレジアント・スタジアムでカネロと対峙した際に実戦で受けるパンチとでは、まったく別物だということも理解している。
「もし自分が食らうべきパンチを本当に食らったら、どうなるかはその時に分かるさ」とクロフォードは
ザ・リングのマイク・コッピンジャーとのインタビュー(YouTubeチャンネルにて配信)で語った。「だからこそ戦うんだよな? やつも俺のパンチを受けなきゃならないんだ。多くの人が『トリプルGのパンチも、ビボルのパンチも受け切った』とか言うけどさ。俺は自分を信じてるし、自分のパンチ力を信じてる。そして、正しいタイミングで放たれたパンチは、大きなダメージを与えられるって信じてるんだ。」
アルバレス(63勝2敗2分、39KO)は、7月18日で35歳になるが、試合中に大きなダメージを受けたのは15年前、ホセ・コットの左フックを受けてロープに吹き飛ばされ、足元がふらついたときが最後だった。だが、コットはその流れに乗り切れず、アルバレスはすぐに体勢を立て直した。
当時19歳だったアルバレスは、その後の展開で完全に主導権を握った。2010年5月、フロイド・メイウェザー対シェーン・モズリーのアンダーカードで行われたスーパーウェルター級の一戦で、アルバレスは4階級制覇王者ミゲール・コットの兄であるコットを2ラウンドでダウンさせ、9ラウンドにはトニー・ウィークス・レフェリーが試合を止めるまで、すべてのジャッジで78-73とリードしていた。この試合はラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われた。
アルバレスに挑戦した2週間後に38歳となるクロフォードにとって、この試合は13か月ぶりの実戦となる。
Netflixが世界3億人以上の視聴者に配信するメインイベントで、両者が激突する。ネブラスカ州オマハ出身の4階級制覇王者クロフォードが最後にリングに立ったのは、2023年8月3日にロサンゼルスのBMOスタジアムでウズベキスタンのマドリモフ(10勝2敗1分、7KO)を下した試合だった。
キース・アイデックは『ザ・リング』誌の上級記者兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @
idecboxing で連絡可能。