ラスベガス発――土曜夜の一戦では、
テレンス・クロフォードよりも
カネロ・アルバレスの方が多くを失う立場にあるように見える。
このメキシコの伝説的王者はすでに戦績に2敗2分を記録しており、さらにクロフォード戦では9桁のファイトマネーを手にすることになる。
しかし、2階級上げて挑んできた37歳の相手に敗れるようなら、スーパーミドル級4団体統一王者アルバレスのレガシーには傷がつくことになる。クロフォードは小柄な選手と広く見られており、147ポンドのウェルター級リミットを超えて戦ったのは一度きりだ。
ほんの数年前まで、
クロフォードがアルバレスに挑むという発想自体、アルバレス本人にも観客にも真剣に受け止められてはいなかった。
クロフォードにとって無敗記録が懸かっているのは事実だが、自分より大きいと見なされ、これまで彼が戦ってきた最重量級のさらに上の3階級すべてで世界王座を獲得してきた相手に敗れるのであれば――それは起こって当然のことだ。
クロフォードは、この結果が両者のレガシーをどう形づけるべきかについて広まっている見方には同意していない。
「まず第一に、俺は絶対に勝つ」とクロフォードは水曜日、ラスベガスのフォンテーヌブローで記者団に語った。「この試合は必ず勝つ。だが同時に、負けたからといって俺やカネロのレガシーが傷つくとは思っていない。カネロは初回投票で殿堂入りするファイターだと思うし、俺自身も初回投票で殿堂入りするファイターだと思っている。」
「だから勝とうが負けようが引き分けようが、俺たち2人とも殿堂入りする。最終的な究極の目標はそこにあると思う。つまり、これまでの偉大なファイターたちと並び称され、ボクシング界で成し遂げてきたすべてのことによって殿堂入りを果たすことだ。」
アルバレス(63勝2敗2分、39KO)とクロフォード(41勝無敗、31KO)は、ともに初回投票での殿堂入りが確実なファイターだ。
しかしクロフォードが、アルバレスの保持するRing、IBF、WBA、WBC、WBO世界スーパーミドル級王座を懸けた12回戦に勝利すれば、アルバレス以上にボクシング史における評価を高めることができるのは明らかだ。
勝利すれば、ネブラスカ州オマハ出身のクロフォードは3階級で4団体統一王者となり、4団体時代の男子ボクサーとしては前例のない快挙となる。さらに通算5階級制覇もまた極めて稀な偉業となる。
クロフォードはアルバレスのレガシーについて自らの見解を持っているものの、自分がアルバレスを破れると確信していないボクシング関係者やファンが大勢いることを理解している。この試合は
Netflixによって世界に配信されるメインイベントだ。
「みんな俺のすべてを過小評価していると思うが、そんなことは関係ない」とクロフォードは語った。「土曜日に試合があるんだ。その夜、すべての〔疑問〕に答えが出る。」
ドラフトキングスのオッズでは、アルバレスはクロフォードに対してわずかな本命(-165/+135)とされている。Netflixでのアンダーカード中継は、アレジアント・スタジアムから東部時間午後9時、西部時間午後6時に開始予定だ。
Keith Idecは「ザ・リング・マガジン」のシニアライター兼コラムニスト。Xでは @
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