ラスベガス発――
テレンス・クロフォードは
カネロ・アルバレスとの試合でリングを巧みに動き回り、スーパーミドル級の王者を判定で圧倒して衝撃の勝利を収めた。
試合前は
「クロフォードがアルバレスのパワーに耐えられるか」が大きな焦点だったが、彼は耐えるだけでなく、逆に自らも打ち返した。
「思ったほど強くはなかった。確かにテクニカルではあるけど、自分はもっと強いパンチを受けてきた」とクロフォードは試合後に語った。
「自分を際立たせなければならないと感じていた。焦って食いつきたくなかったから、タイミングを計って、チャンスが来たときに手を出した。彼のボディランゲージや、自分を鼓舞しながら“かかってこい、チャンプ”と言ってくるのを見ていたけど、“ラッキーショットをもらうわけにはいかない”と思って、自分のやり方を貫いたんだ。」
クロフォード(42勝0敗31KO)は試合後半をほぼ掌握し、公式採点で最終2ラウンドをすべて奪った。10ラウンド終了時点では2人のジャッジが同点とつけており、アルバレス(63勝3敗2分39KO)も体が言うことをきいていれば、マジョリティ・ドローに持ち込めた可能性があった。
「チャンピオン相手には、チャンピオンシップラウンドを取らなきゃいけない。試合を締めくくる必要があるとわかっていた」とクロフォードは語った。
また、スイッチヒッターのクロフォードは、この試合を通してサウスポーで戦い続けた理由についても触れた。
「最初はオーソドックスでいこうと思ったけど、コーチたちが“サウスポーでいけばやつを仕留められる”と言ってくれたんだ」とクロフォードは続けた。
「彼はオレのジャブを突破できない。足が遅かったから、オレは回り込んで崩し続けた。やつが大きなフックを狙っているのは分かっていたし、オレが思った以上に速いと気づいていたと思う。もし彼がジャブを多用したら、オレがカウンターを合わせるつもりだった。彼はオレのパワーをリスペクトしたはずだ。
彼は明らかにフラストレーションを溜めていた。狙っていたことが通用せず、被弾したときには“まさかこんなのをもらうなんて”とでも言いたげに首を振っていたよ。」
Manouk Akopyanは『ザ・リング』の主任ライター。Xとインスタグラムで @ManoukAkopyan をフォローできる。