ニューヨーク発 —
テレモアナ・テレモアナは昨夏のオリンピックで
バホディル・ジャロロフに敗れた際、試合の結果を判定に委ねるべきではないことを学んだ。
巨大なオーストラリア人ヘビー級、テレモアナ・テレモアナは、プロの試合で判定を必要としない戦いぶりを土曜の夜も改めて証明した。マディソン・スクエア・ガーデンのシアターで行われたリチャードソン・ヒッチンズ対ジョージ・カンボソス・ジュニアの前座6回戦で、テレモアナはアリーム・ホイットフィールドを初回2分28秒で圧倒し、ダウンを奪った後に激しいノックアウト勝ちを収めた。
テレモアナ(8勝0敗8KO)は左フックを連打してホイットフィールドを追い込み、さらに右ストレートで追撃してダメージを与え、ホイットフィールドはニュートラルコーナーで崩れ落ちた状態となり、レフェリーのデビッド・フィールズが試合をストップした。これでテレモアナは5試合連続で初回KOを記録した。
「俺はヘビー級を支配するためにここに来た」とテレモアナはリング上でDAZNのクリス・マンニックスに語った。「もちろん一歩ずつ階段を上がらなきゃいけないけど、『ファイトナイト』っていう昔のゲームみたいに、順番に全員倒していきたいんだ。誰かを飛ばしたりせず、全員やる。それが俺のやりたいこと。俺はファイターで、戦うのが大好きだからな」。
身長6フィート6インチ(約198cm)、体重265ポンド(約120kg)のテレモアナは、当初出場予定だった日曜のオーストラリア・ブロードビーチでのジャイ・オペタイア対クラウディオ・スクエオ戦の前座が中止となったため、土曜のこのカードに急きょ加わった。
35歳のホイットフィールドは、約10年間の服役による長期のブランクを経て復帰したプロキャリアで初の敗北を喫した。ニューヨーク州ジュネーブ出身のホイットフィールド(9勝1敗6KO)は2024年にリングに復帰後、2連勝を挙げていたが、元クルーザー級の彼はテレモアナのパワーには耐えられなかった。
テレモアナは自分の成長を適切なペースで進めていくことに集中しているが、マネジメント陣はその進路を見極めている。テレモアナ自身は、最終的に昨年8月のパリ五輪で敗れたバホディル・ジャロロフ(15勝0敗14KO)との再戦をプロの舞台で実現させたいと望んでいる。
「彼はいいボクサーだ」とテレモアナはThe Ringに語った。「彼には相応の敬意を払うよ。オリンピックで2度も金メダルを獲った男だからな。でもプロで本当の試合になったら、12ラウンド逃げ切るなんてことはできないだろう」。
アマチュア時代に自らのパワーを味わわせた経験から、27歳のテレモアナは、ウズベキスタン出身のサウスポーであるジャロロフがプロで自分と戦うかは疑わしいと見ている。
「実現してほしいよ」とテレモアナは語った。「十分な報酬があればやるかもしれないけど、俺と戦うことがどれだけ大変か分かってるから、避けると思う。試合後に彼は近づいてきたけど、俺がやれることを理解してたよ」。
身長6フィート7インチ(約201cm)、体重251ポンド(約114kg)のジャロロフ(30歳)は、7月26日にマディソン・スクエア・ガーデンのシアターで行われる10回戦で、イタリアのジャンマルコ・カルディッロ(12勝1敗2分2KO)と対戦する予定だ。
モーゼスが再び存在感を示す。
土曜夜、テレモアナの勝利の直前に行われた試合で、スーパーフェザー級の有望株
ザクイン・モーゼスが、6回戦で予定されていた一戦を第4ラウンドでカール・ロジャースにストップ勝ちした。
モーゼスは第4ラウンド中盤を過ぎたあたりで右フックを決め、ロジャースからダウンを奪った。ロジャースはレフェリーのエリック・ダーリのカウント10までに立ち上がったが、ニュージャージー州ニューアーク出身のサウスポーであるモーゼスが一気に畳みかけ、強打を連打したところでダーリが試合を止めた。
公式なストップタイムは第4ラウンド1分51秒だった。
WBCライト級王者
シャクール・スティーブンソンの従兄弟である20歳のモーゼスは、戦績を4勝0敗(3KO)とし、通算3度目のノックアウト勝利を挙げた。一方、コロラド州コロラドスプリングス出身のロジャース(3勝3敗)は、3カ月足らずで2度目のTKO負けを喫した。
土曜夜の前半には、インド出身のスーパーウェルター級の有望株
ニシャント・デブが、ジョスエ・シルバとの6回戦で3者とも60-54の判定を受け、ユナニマス・デシジョンで完封勝利を収めた。デブはこれで2勝0敗(1KO)となった。
メキシコ出身のシルバは戦績を3勝3敗(1KO)とした。
Keith Idec はザ・リング・マガジンの上級ライター兼コラムニストであり、X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡を取ることができる。