フィラデルフィア — 圧倒的な地元ファンの声援を背に、ウェルター級のターミア・スモールズがプロキャリア最大の勝利をつかむ。土曜夜、クファイニティ・モバイル・アリーナで行われた
ジャロン・エニス対ウィスマ・リマ戦のアンダーカードで、ホセ・ロマンに10回判定で勝利した。
エニスと同じプロモーション陣営に所属する26歳のスモールズは、第3ラウンドに鋭い右ストレートをロマンのあごに打ち込み、キャリア2度目のダウンを奪う。その後もぐらつく31歳のロマンを追い詰めたが、フィニッシュには持ち込めなかった。
しかし、このラウンドを境に試合の流れは完全にスモールズに傾き、最終的にジャッジ三者は98-91、96-93、95-94のスコアでスモールズの勝利を支持。ロマン(14勝2敗、6KO)は3連勝でストップする結果となった。
ダウンを奪った後、スモールズは完全に“ハンター”役に回り、ロマンを後退させ続けた。プエルトリコ出身のロマンはリスクを冒して打ち合うよりも、最終ラウンドのゴングを聞くことを優先していた。
一方、20歳同士の無敗スーパーバンタム級6回戦では、メキシコのサウスポー、ショーン・ディアスが序盤から地元人気のデニス・トンプソン相手にトリッキーな動きを見せ、互角の展開を作った。トンプソンはサウスポーながらオーソドックス構えを選択した。
ディアスは第2ラウンドに入ると自信満々の様子で挑発を始め、手振りで観客をからかい、前腕で額をぬぐう仕草を見せながら、右手を遊び心たっぷりに空に掲げてフィラデルフィアの観衆を挑発した。
一方のトンプソンは終始ビジネスライクな姿勢を崩さず、第4ラウンドでは両者が間合いを詰めての激しい打ち合いに発展。そこからトンプソンが一歩引いて距離を取りながら、背の低いディアスに強打を浴びせ始めた。
最終的に、トンプソン(8勝0敗、5KO)は無傷の戦績をキープ。ディアス(9勝1敗、2KO)も善戦し、観客を沸かせる熱戦を見せた末のスプリット判定(2-1)で敗れた。
この日のオープニングバウトでは、Bサイドのナヒーム・パーカーが番狂わせを演じ、ライト級6回戦で無敗のジャスティン・パルミエリに判定勝ち(ユナニマス・デシジョン)を収めた。31歳のパーカー(6勝3敗、2KO)は素早いジャブで出入りを繰り返し、ニュージャージー州メイプルシェイド出身の25歳パルミエリ(5勝1敗、3KO)を空振りさせる場面を何度も作った。
続くライト級6回戦では、ハーリー・メデロスが元有望株ハイロン・ウィリアムズ(16勝7敗1分、3KO)を初回で沈め、無敗をキープ。メデロス(9勝0敗、8KO)は第1ラウンドで3度のダウンを奪い、35歳ウィリアムズにとって6戦連続のストップ負けとなった。25歳のメデロスはこれで7試合連続のKO勝ちを記録。
スーパーフェザー級では、イギリス出身の22歳サウスポー、ジョルジオ・ヴィジオリが29歳のジェームズ・ウィルキンス(13勝3敗、6KO)に8回戦ユナニマス・デシジョンで勝利。ヴィジオリ(9勝0敗、6KO)にとっては8回戦判定勝ちが2試合連続となった。
同じくスーパーフェザー級のザクィン・モーゼス(5勝0敗、3KO)は、シャクール・スティーブンソンのいとこであり、20歳のサウスポー。28歳のアントニオ・ダントン・エル・ジュニア(6勝5敗2分、2KO)を相手に6回判定勝ちを収め、危なげない内容で連勝を伸ばした。
Joseph Santoliquitoは『リング・マガジン/RingTV.com』で1997年10月から執筆を続ける殿堂入りの受賞スポーツライターであり、全米ボクシング記者協会(BWAA)の会長を務めている。X(旧Twitter):@JSantoliquito