ラスベガス――
スティーブン・ネルソンは土曜のリングで、戦績以上の実力者と対峙することを理解していた。
しかし、キューバ出身の
ライコ・サンタナはその想像をはるかに超える力を即座に示した。サンタナはネバダ州アレジアント・スタジアムで行われた
カネロ・アルバレス対テレンス・クロフォード戦アンダーカード、10回戦ライトヘビー級で、初回TKOという衝撃の勝利を飾った。
ラウンド残り30秒を切ったところで、サンタナの右がネルソンをロープ際まで吹き飛ばす。ダメージを察知したサンタナは強打の連打を浴びせ、ネルソンは後退。レフェリーのロバート・ホイルが2分38秒で試合を止めた。
ネルソンはダウンこそしなかったが、ホイルは続行不能と判断。プロとして初めてKO/TKOで敗れたネルソンは、試合が止められたことに呆然とした表情を浮かべていた。
ネルソン(20勝2敗16KO)はオッズで約3対1の有利と見られていたが、サンタナ(13勝4敗7KO)は大舞台のチャンスを逃さず、生涯最大の勝利をつかんだ。
「これは自分に欠けていた勝利だ」とサンタナは試合後、『ザ・リング』のマックス・ケラーマンに語った。
「今がキャリアの最高の瞬間だと思う。自分の実力を見せたかったし、その結果がこれだ」
37歳のネルソンは、クロフォードの最も親しい友人のひとり。7か月半前に喫したプロ初黒星からの再起を狙っていた。相手のサンタナはキューバのベテランで、過去4戦のうち2試合でジョセフ・ジョージ(当時12戦全勝)とロレンツォ・シンプソン(当時14勝1敗)に判定勝ちしている実力者だった。
ネルソンは前戦、今年1月25日にラスベガスのコスモポリタンでディエゴ・パチェコに3者とも117-111の判定で敗れている。現在24戦全勝18KOを誇り、『ザ・リング』スーパーミドル級3位にランクされるパチェコに完敗を喫した形だった。
Keith Idecは『ザ・リング』の上級ライター兼コラムニスト。Xでは @idecboxing から連絡可能。