ラスベガス発――
スティーブン・ネルソンは、現役スーパーミドル級の中でも
レスター・マルティネスがいかに危険なファイターかを誰よりも理解している。
ネルソンとマルティネスは、
テレンス・クロフォードとネルソンを指導するチームが3年前にマルティネスのトレーニングを手がけ始めて以来、数え切れないほどのラウンドをスパーリングで重ねてきた。その激しいセッションから得た経験を踏まえると、ネルソンには技巧的で賢いマルティネスが強敵ムビリに敗れる姿は想像できない。
実際ネルソンは、まだ過小評価されているマルティネスが、土曜夜のアレジアント・スタジアムで行われるカネロ・アルバレス対クロフォード戦のアンダーカードで、
ムビリを難なく下すと予想している。
「彼はインパクトを残す」ネルソンは
『ザ・リング』に語った。「観客は『一体この男はどこから現れたんだ?』と思うだろう。ムビリはいつものように前に出て同じことを仕掛けてくるだろうが、レスターはそれを切り崩していく。彼はリングで素晴らしい姿を見せるはずだ」
ネルソンの見立てでは、マルティネスは老獪なカウンターパンチャーとして、手数で攻め込むムビリのディフェンス面の弱点を突いていく。さらに、ジムでの経験から、耐久力とスタミナを備えたマルティネスは後半のラウンドで優位に立つ可能性が高いという。
「彼は常に安定していて、試合を重ねるごとにギアを上げるんだ」ネルソンは言う。「もし最初に9の力で入ったら、最終的には15にまで引き上げていく。ラウンドを重ねるごとに強くなっていくんだ」
ムビリは後半のトレーニングキャンプを、拠点とするモントリオールからカリフォルニア州ビッグベア湖へと移した。高地での調整がマルティネス戦で有利に働くことを期待している。
カメルーン出身のムビリ(29勝無敗24KO)と、グアテマラ出身のマルティネス(19勝無敗16KO)の注目の10回戦は、Netflixで世界配信される全4試合のうち2番目に組まれており、ムビリのWBCスーパー ミドル級暫定王座が懸けられる。
30歳のムビリは『ザ・リング』誌のアルバレス王座におけるスーパーミドル級挑戦者ランキングで1位に位置する。一方、29歳のマルティネスは、同階級のトップ10からは外れている。
過去1年間で様々な故障により3試合をキャンセルしてきたマルティネスは、直近では7月初旬に首の神経を圧迫する怪我で出場を断念した。それでもネルソンの目には、今回のキャンプで見せたマルティネスは健康でハングリーに映り、8年のプロキャリアで最大のチャンスを掴む準備が整っているように見えた。
「この試合で彼は必ずインパクトを残す」ネルソンは言う。「彼の試合を本当に楽しみにしている」
ネブラスカ州オマハ出身のネルソン(20勝1敗16KO)は、同じアンダーカードでキューバのライコ・サンタナ(12勝4敗6KO)との10回戦に臨む予定だ。
37歳のネルソンは、1月25日にラスベガスのコスモポリタンで行われたロサンゼルス出身ディエゴ・パチェコ(24勝無敗18KO)との12回戦で判定負けを喫して以来、168ポンド級での再起を懸ける。
32歳のサンタナは、2021年10月にメキシコ・ロスモチスで行われたマルティネス戦で競り合いながらも判定で敗れている。
ネルソン対サンタナ戦は Tudum.com、UFC公式YouTubeチャンネル、WWE公式YouTubeチャンネルで配信される予定。アンダーカードの配信は午後2時30分(西海岸時間/東部時間午後5時30分/英国時間午後10時30分)にスタートし、Netflixによるメイン4試合の配信は午後6時(西海岸時間/東部時間午後9時/英国時間午前2時)から開始される。
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライター兼コラムニストであり、Xでは @idecboxing で連絡できる。