スティーブン・ネルソンは、
テレンス・クロフォードがスーパーミドル級、さらにはそれ以上の階級の選手をどう扱うかについて、誰よりもよく知っている。
クロフォードの最も親しい友人の一人であるネルソンは、クロフォードがライト級で戦っていた頃から、4階級制覇王者と無数のスパーリングラウンドをこなしてきた。ネルソンはプロデビューから9年間、ライトヘビー級やスーパーミドル級で戦ってきたが、小柄なクロフォードはそんな彼に対してもジムで真っ向から挑んできた。
彼らのスパーリングでクロフォードが成し遂げることに、もはやネルソンは驚かなくなっている。しかしネブラスカ州オマハ出身のネルソンは、クロフォードのパワーと攻撃性が、
9月13日にラスベガスのアレジアント・スタジアムでスーパーミドル級無差別王者のカネロ・アルバレスを不意を突くと確信している。
「人々は、彼(クロフォード)がリングに入ったらずっと逃げ回ると思っている」とネルソンは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「ボクシングして動き回って、また動いて……みたいな。でも俺は、彼らがどんな言い訳をするのか、何を言うのかを楽しみにしているんだ」
クロフォード批判者は、彼がメキシコの象徴であるアルバレスのパワーに耐えられないと主張する。12ラウンド168ポンド戦で争われるIBF、WBA、WBC、WBO、リング誌のタイトルで、アルバレスの鉄の顎はプロ20年近く一貫した強みであると疑いの余地がない。そして、クロフォードがアルバレスを傷つけられる可能性も疑問視されている。
ネルソン(20勝1敗、16KO)は、アルバレス対クロフォードのアンダーカードで、10回戦でキューバのライコ・サンタナ(12勝4敗、6KO)と対戦する予定である。ネルソンは笑いながら、機会があればいつでも批判者たちに彼らが誤解していることを思い出させる。
「バド(クロフォード)がステップアップするたびに、135や140にいた頃からいつも『このプレッシャーに耐えられるのか?相手は大きいぞ』って言われてきた。いつもそうだ。でも俺が知っているバドは、常に自分より大きな相手と戦い、存在感を示し、最終的には“より大きな男”になってきた。俺はそれを見てきたし、実際に感じてきた」
「俺は彼より大きいが、無数のラウンドを一緒にスパーリングしてきた。そしてレスター・マルティネスを含め、多くの選手とのスパーも見てきたが、サイズは決して問題にならなかった。バドは常に本来の階級より重い体を持っていたが、常に減量し体重を抑えてきた。彼には成長するチャンスがなかったんだ」
クロフォードが体重を14ポンド上げ、スーパーウェルター級上限の154ポンドからスーパーミドル級上限の168ポンドへ移行することは、ネルソンにとって特に驚きではなかった。そしてそれは、クロフォード(41勝無敗、31KO)がアルバレス(63勝2敗2分、39KO)に挑戦することで、
Netflixが世界配信する注目の一戦でキャリア最高額のファイトマネーを手にするからという理由だけではない。
オマハ出身の37歳クロフォードは、147ポンドのウェルター級を超えて戦ったのは一度きりだが、ジムでは何年もアルバレスと同等かそれ以上の体格を持つ選手たちと腕試しをしてきた。35歳のグアダラハラ出身アルバレスは、2019年5月以降の12試合すべてでスーパーミドル級またはライトヘビー級で戦っている。
「バドが135や140にいた頃から、常に大きな選手とスパーしていた」とネルソンは語った。「大きな選手というのは、俺自身のサイズかそれ以上のことだ。俺だけじゃなく、俺と同じ階級やそれ以上の選手ともだ。バドはとても負けず嫌いだから、ジムに誰か来れば必ず挑むんだ」
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@
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