【カリフォルニア州ハリウッド】──エイマンタス・スタニオニスのヘッドコーチであるマーヴィン・サモディオは、土曜に控えるジャロン・エニス戦が非常に厳しい試合になることを十分に理解している。
それでも、フレディ・ローチの弟子であり、10年にわたりマニー・パッキャオのアシスタントコーチを務めてきたサモディオには、大一番を前にして揺るぎない自信がある。
IBF王者のエニス(33勝0敗、29KO)は、リング誌の147ポンド(ウェルター級)ランキングで1位。対するWBA王者のスタニオニス(15勝0敗、9KO)は同ランキングで2位に位置しており、タイトルが空位の際に1位と2位が対戦するという伝統に則り、今回はリング誌の王座も懸けられる一戦となる。
「僕自身も元ボクサーだったからわかるんですが、本当の意味で選手の実力が引き出されるのは、最高の相手と対戦した時だけなんです」と、スタニオニスとのトレーニングを終えた後、ロサンゼルスのワイルドカード・ボクシングジムでの取材中にサモディオは『ザ・リング・マガジン』に語った。
「今回の試合は、“ベスト対ベスト”。素晴らしい試合になると思っています。両者とも完璧な準備をしてくるはずだし、試合の中で誰がより優れているか、誰が的確な修正をできるかが見えてくるでしょう。自分たちは勝ち方を知っている。キャンプの内容も非常に順調ですし、その成果を証明する唯一の方法は、4月12日のリングの上でそれを見せることだけです。」
サモディオは、今回の大一番に向けて、無理に戦術をひねり出したり、奇をてらったアプローチをする必要はないとも述べている。
「スタニオニスのキャリアにおいて今の段階で“新しいこと”を試すのは、あまり得策じゃないと思う」とサモディオは語る。「壊れていないものを直す必要はない。必要なのは“微調整”だ。彼はワイルドカードに初めて来た日から、才能もハートも、持って生まれた能力もあった。今ではさらに成長している。より成熟して、ただのファイターや戦士じゃない。ちゃんとプランを持って戦える男になった。それが必要なんだ。このレベルでは、相手も一流、特にジャロン・エニスのような相手ならなおさらだよ。」
「ジャロンはパワーパンチャーで、強くて速くて、パンチの数も多いし、テクニックもある。そして、非常に危険な選手だ。すでに世界クラスの相手を何人も倒してきている。この試合は本当に50対50の勝負になると思う。年間最高試合(FOTY)になる可能性もあると、私は信じている。」
リトアニア出身のスタニオニスは、技術面での劣勢を克服するだけでなく、“アウェーの空気”とも戦わなければならない。今回の対戦相手ジャロン・エニスは、地元フィラデルフィア出身で、試合会場となるアトランティックシティは自宅から車で1時間ほどの距離。そしてこのイベントは、エディ・ハーン率いるマッチルーム・ボクシングが主催している。
つまり、スタニオニスにとってはリング上だけでなく、会場全体の雰囲気や判定面でも不利となる可能性がある環境だ。
水曜日に明らかになったところによると、この試合を裁くジャッジは全員アメリカ東海岸出身で、ニュージャージー州のマーク・コンセントティーノ、コネチカット州のグレン・フェルドマン、そしてニューヨーク州のケビン・モーガンの3名が担当する。また、レフェリーはニュージャージー州のデビッド・フィールズが務めることになっている。
「俺たちは彼のホームタウンで戦うことになる」とサモディオは語った。「だからこそ、ただただジャッジたちが公平であってくれることを願っている。」
なお、ドラフトキングスによれば、エニスはスタニオニスに対して6対1の大本命としてオッズが設定されている。
Manouk Akopyan は『ザ・リング・マガジン』のリードライターです。X(旧Twitter)およびInstagramでは @ManoukAkopyan で連絡可能です。