カリフォルニア州ハリウッド発――エイマンタス・スタニオニスは、試合の準備をしていない時間が長くなると、心と体のバランスが崩れていくという。
そういう意味では、現在WBA世界ウェルター級王者の彼にとって、精神を落ち着かせて目の前の戦いに集中するのは難しくないだろう。4月12日、アトランティック・シティのボードウォーク・ホールで、IBF王者ジャロン・エニスとの王座統一戦が控えている。この試合では、空位となっているザ・リング誌のタイトルも争われる。両者はウェルター級トップ2にランクされている実力者同士だ。
スタニオニスはここ数年、不運なキャリア停滞に見舞われてきた。2022年4月以降の試合はわずか1戦のみ。2023年5月、ガブリエル・マエストレに判定勝ちを収めて以来リングから遠ざかっている。彼が渇望していたヴァージル・オルティスJr.との打ち合いは、15か月の間に3度も中止となり、結局実現することはなかった。
「キャンプに入ってない期間は、頭がおかしくなりそうになる。気分も落ち込むんだ」とスタニオニスは、ロサンゼルスのワイルドカード・ボクシングジムでの練習後、『ザ・リング』のインタビューに答えた。
「ある日は調子がいいのに、次の日には頭の中がごちゃごちゃして、まるで悪魔が住み着いたようになる。でもキャンプに入れば集中できる。トレーニングが大好きなんだ。もちろん家族と離れるのはつらいよ。でも、それもすべてボクシングのための犠牲。これが俺の初恋だった。ボクシングと一緒に育ってきたし、じっとしてるのは性に合わない。常に体を動かしていたい。これが俺の生き方なんだ」。
2016年リオ五輪リトアニア代表のスタニオニスは、キャリア最大かつ最も危険な試練となるジャロン・エニスとの対戦に向けて、現在トレーニングの真っただ中にある。ブックメーカーのオッズでは彼が大きく不利とされているが、その評価に動じる様子はない。エニスのようなハイレベルな相手にも、勝機は必ずあると信じている。
「人間は誰でもミスをするし、弱点を持っている」とスタニオニスは言う。「いろいろ考えすぎてもしょうがない。リングに上がれば何が起こるか分からない。4月12日を見ててくれ。俺はただ、思い切り楽しむつもりだ。トレーニングキャンプこそが一番きつい。試合はご褒美だ。もう待ちきれない」。
スタニオニスが描くプランは明快だ。恐れず、全力でぶつかる。それだけ。
「世界王者になれるかどうか、ずっと自分を疑ってた。けど、それが最初の夢だった」とスタニオニスは語る。「競争が好きなんだ。勝負の場でこそ、人間の本質が見える。アスリートとしての真価が試される。楽な試合なんて意味がない。厳しい試合を通じて、自分が今どこにいるのかを知りたい。すべては、自分次第なんだ」。
「相手の地元で戦うし、状況はすべて向こうに味方している。でも俺は、心の準備ができてる。誰にも止められない。メンタルは今、完璧な状態だ」。
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任ライターである。X(旧Twitter)およびInstagramでは@ManoukAkopyanで連絡可能。