注目の陰にいることには、いくつかの利点がある。まず、過度な騒ぎがないことで雑念が減る。そしてもう一つは、ライバルたちに気づかれないまま、静かに追い上げることができる点だ。
スラワ・スポマーは、これまで“影の中”で戦うことに何の不満もなかったが、今週金曜の夜こそ、自分がスポットライトを浴びる番だと信じている。
ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン内のシアターで、スラワ・スポマーはアメリカデビュー戦を迎える。対戦相手は、世界的評価の高いスーパーウェルター級コンテンダー、ザンダー・ザイアスだ。
母国ドイツでの試合は安心感があったが、コンフォートゾーンを抜け出すことは必要な一歩だった。いよいよキャリア最大の試合を迎えるスラワ・スポマーは、自分の力を見せる時が来たと意気込んでいる。
「自分がトップにふさわしい存在だってことを証明したい」とスポマーは最終記者会見で語った。
22歳のザイアスは、無敗の戦績と圧倒的な自信を引っさげてリングに上がってくる。しかし、完璧な戦績を持つ相手に怯む者もいる中で、スポマーにとってはそれも慣れたものだ。
これまでにスポマーは、無敗のファイターを3度にわたってその完全戦績から引きずり下ろしてきた。32歳の彼にとって、ザイアスも同じ運命をたどるだけだ。
スポマー(20勝無敗、11KO)には、どこか傲慢さを含んだ独特のキャラクターが漂っている。彼の話し声を一度聞けば、その力強いトーンに思わず耳を奪われる。そして一度でも彼のファイトを見れば、その注目は最後まで途切れることがない。
注目されることに感謝していないわけではないが、スポマーはまだまだやるべきことがあると感じている。キャリアを通して、ドイツ出身の彼の目標は一貫している――世界王者になること、そして最強の相手と戦うことだ。タイトル挑戦が目前というわけではないが、ハイレベルな相手との対戦という意味では、スポマーはまさに数日後にその舞台に立つことになる。
「ザンダーはトップクラスのボクサーだ。世界の強豪と戦わなきゃいけないんだよ。」