シェーン・マクギガンは、7月11日に行われるWBA・IBF・WBO女子スーパーバンタム級統一戦で、
エリー・スコトニーと対戦するヤミレス・メルカドに対し、「リングに立って戦え」と挑発した。
この試合は、
ケイティ・テイラー対アマンダ・セラノの第3戦をメインに据えた、Most Valuable Promotions(MVP)が主催するオール女子興行の一部として行われる注目の一戦である。
準備にあたり、マクギガンはメルカド(23勝4敗、5KO)の試合映像を徹底的に分析。その上で、彼女がポイントを狙って“逃げるボクシング”に徹する可能性があることに懸念を示した。
「彼女は少し後ろに引いて戦う傾向があると思う」とマクギガンは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「ただ、こっちは彼女に走り回ってほしくないんだ」
「だからこそ、こっちから言ってやりたい。さあ、立ち上がって、リングの中心で戦おう。この大舞台にふさわしい、エキサイティングな試合を見せようじゃないか」
「逃げたところで、結局エリーには勝てないよ。ただ、その場合は誰にとっても楽しくない試合になるだけ。だったら正々堂々と戦ってくれ。それが俺たちの望みだし、彼女の“メキシカン・スピリット”が本気の打ち合いを引き出してくれることを期待している」
「率直に言って、エリーは前に出ても勝てるし、中央で打ち合っても勝てる。後ろに下がりながらでも勝てる。なぜなら彼女は相手よりずっと優れているからだ。でも俺たちは、こんな大舞台で凡戦なんて望んでいない。観客を沸かせる熱戦が見たいんだ」
この試合は、スコトニーがマッチルームから移籍し、MVPと契約してからの初陣でもある。ジェイク・ポールとナキサ・ビダリアンが設立したMVPは、女子ボクシングの精鋭選手を続々と獲得しており、フリーエージェントだったスコトニーもその理念に合致した。
「彼らのミッションには本当にワクワクしている」とマクギガンは語った。「女子選手に新たなチャンスを与えているし、多くの選手がそこに惹かれているのも納得だ。
『テイラー対セラノ3』はそれだけで信じられないほどのカードだし、この2人がリングに上がって名勝負にならないことなんて考えられない。エリーがこのイベントの一員になれたことは、彼女のキャリアにとっても大きい。そしてマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で戦うというのは、彼女がずっと目指してきた夢の舞台なんだ」
なお、マクギガンにとって、伝説的なマンハッタンのアリーナでセコンドに立つのは今回が初めてとなる。彼がこれまでニューヨークで経験した唯一の試合は、2016年7月にブルックリンのバークレイズ・センターで行われたカール・フランプトン対レオ・サンタクルス戦であり、その夜フランプトンはメインイベントで勝利を収めた。
「ニューヨークで自分がセコンドに立ったのは、あのブルックリンでの試合だけなんだ」と彼は振り返る。「だからMSGに立てるのは、まさに一つの夢が叶う瞬間だ。いつかは、俺たち自身がメインイベントを張れるようになりたい」
マクギガンが抱えるもう1人の逸材、リング誌ライト級1位のキャロライン・デュボアも、将来的にアメリカでメインを張れる逸材と目されている。
スコトニーが122ポンド級で統一を目指しているのと同様に、デュボア(11勝0敗1分、5KO)もライト級の統一を視野に入れており、3月にはロイヤル・アルバート・ホールでシン・ボミレを破ってWBC王座の2度目の防衛に成功している。
デュボアはBoxxer所属の看板選手だが、同プロモーションのスカイ・スポーツとの契約が今月末で満了するため、今後の去就は不透明なままである。マクギガンは、Boxxerとの契約状況や今後については明言を避けたものの、MVPの興行に出場する可能性も否定はしなかった。
「その件については、まったく話せない」とマクギガンは『ザ・リング・マガジン』の取材に対し答えた。
「ただ一つ言えるのは、こちら側に不安は一切ないということだ。現時点では彼女は契約下にある。そして、勝っていて存在感がある限り、立場は非常に強い」
「仮に
キャロライン・デュボアがMVPの興行に出たいと思えば、それは実現できる。たとえBoxxerと契約中であっても、過去には他のプロモーターと協力してきた前例がある」
「要は、キャロラインにとって最良の選択肢が何か。それを実行するだけだ。そのために我々がマネジメントを担っているし、これまでも相当いい仕事をしてきたと思っている。今後もその方針は変わらないよ」