テレンス・クロフォードが
カネロ・アルバレスを倒すと予想するのがトレンドになる前から、シャクール・スティーブンソンはそう主張していた。
公式には、両者は
2025年9月13日、ネバダ州ラスベガスのアレジアント・スタジアムにて対戦予定であり、スーパーミドル級の全タイトルが懸けられる。これまでのキャリアで無敗を誇ってきたクロフォード(41勝0敗、31KO)だが、今回は初めて“挑戦者側”としてリングに上がる。
オッズメーカーたちはクロフォードのスキルや実績を軽視しているわけではない。しかし、彼らの視点では“階級”が重要である。現時点で37歳のクロフォードは、2階級上の現スーパーミドル級4団体統一王者カネロに挑むことになり、文字通り不利な立場にある。
スティーブンソンはカネロに対して大きな敬意を払っている。彼の実績は圧倒的であり、技術も歴代の名選手に匹敵する。しかしそれでも、スティーブンソンはカネロが“ジャブを繰り返し打ってくるタイプの選手”に苦戦する傾向があると見ている。
「GGG(ゲンナジー・ゴロフキン)や(ドミトリー)
ビボル、フロイド(メイウェザー)は、みんな素晴らしいジャブを持っていたと思う」とスティーブンソンは
『ザ・リング・マガジン』との単独インタビューで語った。
実際、メイウェザー、ゴロフキン、ビボルの3人は、何らかの形でカネロのキャリアに“傷”をつけた存在である。メイウェザーとビボルは、カネロ(63勝2敗2分、39KO)にとって唯一の敗北を喫した相手であり、ゴロフキンは物議を醸した引き分けを記録した。
スティーブンソンの見立てでは、クロフォードは彼らが持っていた要素、特にジャブを備えている。しかし、彼には大きな不利な点もある。
クロフォードは、これまで“紙の上では”ここまで強力なフィジカルやパンチ力を持つ相手と対戦したことがない。それでもクロフォードは、2024年8月3日にロサンゼルスのBMOスタジアムで
イスライル・マドリモフを下してWBA世界スーパーウェルター級王座を獲得した直後に、その王座を返上してまでカネロ戦に臨む決意を固めた。
クロフォードが何を見抜いて、アルバレス王朝を終わらせられると確信したのかは、正確には分からない。ただしスティーブンソンは、クロフォードが何を考えているのか、ある程度は見当がつくという。
「クロフォードがサウスポーであることは、カネロにとって少しやりづらい要素になる」とスティーブンソンは続けた。「カネロはサウスポーに若干苦手意識があるように思うんだ。」