テレンス・クロフォードとシャクール・スティーブンソンは、ほとんどすべての点で意見が一致する。彼らのパウンド・フォー・パウンド・リストは似ており、試合の予想もよく一致し、ボクシングというスポーツ全体に対する見解もほぼ同じだ。とはいえ、今回は意見が食い違っている。
エロール・スペンス・ジュニアは、現在最も人気のあるボクサーの一人だ。だからこそ、彼の殿堂入りの可能性について尋ねられたとき、クロフォードが顔をしかめたことで、コメント欄では批判の声が上がった。それでもクロフォードは見下すつもりはなかったと言い、自分は正直に話しただけだと主張している。
簡単に言えば、スペンスの戦績では、殿堂入りに必要な実績としては不十分だというのがクロフォードの見解だ。しかし、スティーブンソンはクロフォードの言うことが理解できない。
「僕は同意しない」とスティーブンソンは『The Best Women’s Boxing Show Period』で語った。「同意しない。エロールは素晴らしいキャリアを積んできたと思う。もしバド(クロフォード)がいなければ、彼が4団体統一王者になっていたはずだ。彼はベルトを一つずつ、自分の手で勝ち取っていったんだ。」
このスポーツを全く追っていなかったのでなければ、2023年7月にクロフォードが長年のライバルに与えたあの衝撃的な敗北劇は、誰もが記憶しているはずだ。あの敗戦以降、スペンス(28勝1敗、22KO)はほとんど公の場に姿を見せていない。時折、復帰を匂わせる動きにファンが期待を寄せることもあったが、実際の復帰には至っていない。
それでも、クロフォードに打ち砕かれる前のスペンスは、間違いなく世界最高クラスのボクサーの一人だった。スティーブンソンも、他のファンと同じように、スペンスの戦いぶりに感嘆していた。ケル・ブルックやヨルデニス・ウガスは、スペンスの手にかかると激しく打ち倒された。そして、ショーン・ポーターとの試合は、ボクシング史に残る名勝負だった。
こうした勝利に加え、かつて4団体中3つのウェルター級タイトルを保持していた実績を考えれば、殿堂入りにふさわしいといえるだろう。
「僕は彼が殿堂入りに値すると思う」とスティーブンソンは語った。