ライアン・ガルシアの最高の勝利は、公式記録に残らないものだ。
2024年4月、ライアン・ガルシアは気まぐれな存在と見なされ、デビン・ヘイニー戦では大きなアンダードッグだった。しかし幸運にも、オッズメーカーが戦うわけではなかった。
ガルシアはヘイニーを圧倒し、マジョリティ・デシジョンで勝利を収めた。しかし、その喜びは長くは続かなかった。ガルシアの体内からオスタリンが検出され、勝利は無効試合(ノーコンテスト)に変更された。
それでも、ガルシアには自身の勝利がPED(パフォーマンス向上薬)だけによるものではなかったことを証明するチャンスが与えられる。両者は、それぞれの前哨戦をクリアすれば、今年後半に再戦する予定だ。ヘイニーはホセ・ラミレスとの試合が決まっており、ガルシアはロランド “ロリー” ロメロとの対戦を控えている。
ロメロに勝つことは気持ちの良いことだが、ヘイニー陣営を黙らせることこそが真の名誉回復となるだろう。しかし、ガルシアはその試合を楽しみにしつつも、同じイベントに出場する“ある人物”との対戦を最終的に実現させたいと考えている。
「俺はテオ(テオフィモ・ロペス)と戦いたい。まだ彼とはやっていないからね」とガルシアは記者団に語った。
5月のイベントのオープニングマッチで、テオフィモ・ロペスはリング誌とWBO世界ライト級タイトルを懸けてアーノルド・バルボサと対戦する。
ガルシアにとって、世界タイトル獲得が絶対的な目標というわけではない。もちろん、手にすることができれば素晴らしいが、それ以上に重要なことがある。
ボクシングは、誰と拳を交えるかによってキャリアが形作られるスポーツだ。これまでガルシアは、ガーボンタ・デービスやヘイニーと対戦する機会を得てきた。そして今、彼のターゲットリストは長くなっている。確かに、ヘイニーとのライバル関係に決着をつけるためにも、公式戦で勝ちたいという思いは強い。しかし、彼がキャリアを終える前に倒したい相手はまだ他にもいる。
「俺は全員と戦いたいんだ」とガルシアは続けた。「それがずっと望んでいたことだ。ヘイニーのことは、何があろうと片付けたからな。」