もしライアン・ガルシアの思い通りに進められるなら、ロランド・ロメロではなくテオフィモ・ロペスJr.との対戦が決まっており、宿敵デビン・ヘイニーとの再戦はそもそも実現していないだろう。
だが、現実にはそう簡単にはいかない。昨年のヘイニー戦後に禁止薬物オスタリンの陽性反応が発覚し、1年間の出場停止処分を受けていたガルシア(24勝1敗、20KO)は、現在そのブランク明け初戦に向けて調整中だ。
この3人――ガルシア、ヘイニー、ロペス――はいずれも、5月2日にニューヨーク・タイムズスクエアで開催されるザ・リング主催興行「
DAZNペイ・パー・ビュー」に出場する。ガルシアはロランド・ロメロと、ヘイニーはホセ・ラミレスと対戦し、ロペスはアーノルド・バルボサJr.を相手にザ・リング誌認定およびWBO世界スーパーライト級王座の防衛戦を行う。
ガルシアとヘイニーがそれぞれ勝利すれば、年内に再戦が行われる契約になっている。初戦ではガルシアが3度のダウンを奪い、マジョリティ・デシジョンで勝利していたが、その後のドーピング発覚により試合結果はノーコンテストへと変更された。
「正直に言って、あの試合に再戦の必要なんてない。ただトゥルキ(アル・シェイク)のためにやるだけだよ。接戦でもなかった。俺が簡単に勝った」とガルシアはザ・リングのインタビューで語った。
「本当はテオフィモとやりたかったんだ。だからあいつと一番言い合ってるんだよ。俺が次に狙ってたビッグマッチはあいつとの試合だった。それに実はイサック・クルスともやりたかった。でも“ピットブル”は試合を断ってきたんだ。」
ガルシアは今回のロメロ戦でウェルター級デビューを果たす。一方のロペスは、依然として140ポンド(スーパーライト級)で戦っており、147ポンドでの適切な試合を模索し続けている状況だ。
ガルシアとロペスは、それぞれの試合に向けてエディ・レイノソの指導を受けることに関心を示していたが、サウジアラビアで5月4日にカネロ・アルバレス対ウィリアム・スカル戦が決まったことで状況は不透明になった。
「どんなトレーナーをつけたって、(ロペスには)意味がない。それが問題なんだ」とガルシアは語った。
「トレーナーは代わりに戦ってくれない。テオフィモは今いい波に乗ってるかもしれないけど、謙虚になる日もすぐに来る。もし俺たちが戦えば、2026年最大の試合になるかもしれないな。ただ、あいつはカンボソスにアップセットされたし、バルボサも侮れない。ラミレスだって同じだ。誰が勝つかなんて分からないんだよ。」
再タッグを組む代わりに、ガルシアはレイノソとの再タッグは選ばず、現在はデリック・ジェームズのもとで調整を続けており、さらにマニー・パッキャオの長年のS&Cコーチであるジャスティン・フォーチュンもチームに加えた。
「フォーチュンはチャンピオンたちを長年指導してきた実績があって、名前も知られている存在だ」とガルシアは語った。
「彼は本当に俺を追い込んでくれてる。このハードワークは必ず実を結ぶし、リングの中でその成果が見えるはずだよ。」
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任ライター。X(旧Twitter)およびInstagram:@ManoukAkopyan をフォロー。