4階級制覇を成し遂げ、殿堂入りも果たした
ロイ・ジョーンズ・ジュニアは、階級を駆け上がる難しさを身をもって知っている。
“キャプテン・フック”の異名を持つ彼は、ミドル級(160)、スーパーミドル級(168)、ライトヘビー級(175/統一)で王座を獲得し、さらに2003年にはヘビー級に挑戦してジョン・ルイズを下し王座を奪取した。
そんな偉業をなぞるかのように、
テレンス・クロフォード(41勝無敗31KO)は2階級上げて、9月13日にラスベガス・アレジアント・スタジアムで
カネロ・アルバレス(63勝2敗2分39KO)の持つスーパーミドル級4団体統一王座に挑む。
ジョーンズは、クロフォードの多彩なスキルがアルバレスを試し、最終的には上回ると見ている。
「テレンスは俺がヘビー級に上げた時と同じように、しっかりと体を作って階級に順応してきた」とロイ・ジョーンズ・ジュニアは
ザ・リング に語った。「練習でスーパーミドル級やライトヘビー級と渡り合えるなら、試合でも対応できるはずだ。体重なんて問題じゃない……彼は“小さいながら偉大なファイター”で、小さい偉大なファイターは何でもできるんだ。」
「もしカネロが完璧な戦い方をすれば、勝つチャンスはあるし勝利できる可能性もある。だがそうでなければ、クロフォードには6つの勝ち筋がある。勝ち筋が1つしかない相手より、6つある方に賭けるね。」
「俺は両者とも大好きだし、2人とも偉大なファイターだ。でも俺はクロフォードに傾いている。なぜならカネロには『わからない部分』が多すぎるからだ。カネロが今もハングリーなのか、俺にはわからない。でも“バド”はハングリーだ──ずっとハングリーで居続けている。カネロのように十分な評価を得てこなかったぶん、その評価を渇望している。その渇望を持つ男、決意に満ちた男を止めるのは非常に難しい。」
「もしアルバレスが完璧な戦いをしなければ、危うい。問題になるだろう。逆に完璧に戦えば、問題なくやれるはずだ。」
ジョーンズは、もしクロフォードがより大きく強いアルバレスを倒す番狂わせを成し遂げれば、歴代の偉大なファイターとして称え、認めるべきだと強調した。
「俺たちはもう二度と(クロフォードがやろうとしていることを)目にできないかもしれない」とジョーンズは語った。「人々は現実が進行中のときには称えようとしない。誰かが亡くなってから、その偉大さを語り出すんだ。もし彼が3階級で4団体統一を成し遂げたら、歴代最高のパウンド・フォー・パウンドの議論に間違いなく加えるべきだ。」
Manouk Akopyan は「ザ・リング・マガジン」の主任ライター。XとInstagramで@ManoukAkopyanがフォローできます。