ロニー・シールズは、生粋のボクシング人間だ。1980年代には2度、WBCスーパーライト級タイトルに挑戦したものの、ビリー・コステロと浜田剛史に敗れ、タイトル獲得には至らなかった。
しかしその失意を乗り越え、後にボクシング界屈指の名トレーナーへと転身した。
その間、気さくなテキサス出身のシールズは、
マイク・タイソン、イベンダー・ホリフィールド、
エリスランディ・ララ、チャーロ兄弟、そして故
パーネル・ウィテカーなど、ボクシング界の錚々たる面々を指導してきた。
現在シールズは、昨年のパリ五輪で注目を集めたヘビー級の新星ジョシュア・エドワーズのキャリアを導いている。エドワーズは今年初めにプロへ転向し、ヒューストンでシールズの下トレーニングを積んでおり、プロモーターのゴールデンボーイにより、ここまで非常に活発に試合をこなしている。
「彼は素晴らしい成長を見せているよ」とシールズは The Ring に語った。「ジョシュアは学びたいという姿勢を持っていて、最高を目指しているタイプの選手だ。誰と対戦させようと、私はいつも一流のスパーリング相手をつけているが、彼は求められることをすべて見事にこなしている。
「彼はパンチを出すことを厭わないし、サウスポーとオーソドックスの両方で戦うのが好きだ。サウスポーよりオーソドックスの方が上手いが、サウスポーになると相手を混乱させる傾向がある。左右どちらの手でも本当に強いパンチが打てるんだ。」
エドワーズ(5勝0敗、5KO)は、向上への飽くなき渇望を持っているようだ。
「トレーニング中、彼は“何をしてほしいのか”を具体的に指示されることを好むんだ。そして、サウスポーであろうとオーソドックスであろうと、自分でそれをちゃんと活かす。そこが本当に気に入っているところだ」とシールズは説明する。「特にオーソドックスで戦うときの彼の右のパンチ力は信じられないほどだ。
「彼は典型的な巨大ヘビー級というわけではないが、とても速い。ウェルター級のように戦い、フットワークが軽い。相手はまず彼の足の軽さに驚かされ、そのあと彼のパンチ力にさらに驚くことになる。」
この新鋭の勢いは同世代の若手ボクサーでは太刀打ちできず、シールズは実力者オット・ワリン(28勝3敗、16KO)をスパーリング相手として投入する必要があった。
「彼とジョシュアのスパーリングは本当に見ものだ」と彼は語る。「彼らは同じチームなんだぞと何度も言い聞かせなければいけない。他の地元の選手たちはジョシュについていけなかった。彼は速くて強すぎたんだ。彼らも良い練習にはなったが、3~4ラウンド sparring するためには2〜3人をローテーションさせる必要があった。」
シールズの元教え子の一人が、この25歳を思い起こさせるという。
「ジョシュアはホリフィールドをすごく思い出させる」と彼は言う。「コンビネーションもディフェンスも大好きで、その防御は本当に滑らかだ。ホリフィールドよりも手を下げて戦うことが多い。ジョシュはスピードもパワーも兼ね備えていて、その組み合わせは非常に厄介なんだ。」
もちろん、ホリフィールドが到達した高みに辿り着くには、まだまだ長い道のりがある。しかし誰だってどこかから始めなければならない。いまシールズが望んでいるのは、エドワーズがとにかく“動き続ける”ことだ。
「その通りだし、ゴールデンボーイは彼を忙しくさせるという点で本当に素晴らしい仕事をしている。彼らはジョシュが“特別な存在”であることを理解しているんだ。アメリカのヘビー級を見渡しても、ジョシュはとても良く見えるし、アメリカを代表するトップヘビー級の一人になれる存在だ。
「ゴールデンボーイが彼をプッシュし、隔月ペースで試合を組んでいるのは本当に良いことだ。今の焦点はジョシュをとにかく試合に出し続けること。そして2〜3年以内には世界タイトル挑戦に名を連ねられるようにすることだ。」
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