エドゥアルド “ロッキー” ヘルナンデス(37勝2敗、32KO)は、数年前に世界タイトルを手にするチャンスを逃してしまったことが信じられなかった。しかし今夜の勝利は、その苦い記憶を払拭する大きな一歩となった。
金曜夜、カナダ・ケベック州ガティノーのヒルトン・ラック・ルミーで行われたメインイベントで、エドゥアルド・“ロッキー”・ヘルナンデスはレネ・テレス・ヒロン(20勝5敗、13KO)に対し、判定勝ちを収めた。これは彼のキャリアにおいて最も重要な勝利の一つと言えるだろう。
序盤から、典型的な激闘の打ち合いとなった。初回のゴングが鳴ると、両者はリング中央へ進み、一歩も引かずに激しく打ち合った。どちらも手応えを感じる場面があったものの、ヘルナンデスのハンドスピードとパワーが際立っていた。
第2ラウンドに入ると、ヘルナンデスは軽快なフットワークを見せながら、スムーズなジャブを繰り出し、狙ったタイミングで正確にヒットさせた。ヒロンはなかなか有効な対策を見出せず、それでもペースを上げようと試みたが、腹部への的確なボディショットを受けて勢いを削がれてしまった。続くラウンドでは、ヘルナンデスが再びボディを攻め、ヒロンをロープ際で防戦一方に追い込んだ。
ヒロンの顔には苦痛の色が浮かんでいたが、それを振り払うかのようにマウスピースを食いしばり、果敢に戦い続けた。ヘルナンデスは、自分のペースで戦うこともできたが、巧みに出入りを繰り返しながらヒロンを誘い込み、隙を突いて確実にダメージを与えていった。
試合が中盤に差し掛かると、まさに全面戦争の様相を呈した。両者はリング中央で額を突き合わせ、一歩も引かずに激しく打ち合いながら、どちらがよりタフかを証明しようとしていた。カナダの観客はこの壮絶な攻防に歓声を送ったが、ヒロンはヘルナンデスの強烈で消耗を促すパンチを浴び続け、次第に苦しさを見せ始めた。
試合が終盤に差し掛かると、ヒロンは完全に打開策を失っているように見えた。一方のヘルナンデスは、まるでこれからが本番だと言わんばかりにギアを上げ、9ラウンドでは攻撃の手をさらに強め、コンビネーションを次々と繰り出した。それでも、何度も頭を弾かれるような強打を受けながらも、ヒロンは最後まで戦い続けた。
チャンピオンシップラウンドに入ると、ヒロンは息を吹き返し、再び闘志を見せた。しかし、それはあまりにも遅すぎた。最終ラウンドのゴングが鳴ると、両者は健闘を称え合い抱擁を交わしたが、勝利を手にして笑顔を見せたのはヘルナンデスだった。リングサイドのジャッジ3名は、119-109、そして2人が120-108と、いずれもヘルナンデスを支持する採点をつけ、彼の圧倒的な判定勝ちが確定した。
セミメインイベントでは、アレクシス・バリエール(12勝0敗、10KO)が1年以上のブランクをものともせず、ウバルド・イラゴル・レスンディス(13勝2敗、12KO)を6ラウンド終了時に圧倒的なTKOで下した。
この夜のパフォーマンスを見る限り、ヘビー級の有望株であるバリエールが504日もリングから遠ざかっていたとは思えなかった。キャリアを再び軌道に乗せた彼は、今後はよりアクティブに試合をこなしていくことを望んでいる。