女子ボクシング界の未来を担う2人のスター候補が、今週土曜の夜、カリフォルニア州南部でそれぞれ別の興行に登場する。
オーシャンサイドでは、『ザ・リング・マガジン』の2024年女子年間最優秀選手に選ばれた4団体統一フライ級王者、ガブリエラ・フンドラが、マリリン・バディージョ・アマヤを相手に王座防衛戦を行い、DAZNで配信されるゴールデンボーイ・プロモーションズの興行のメインイベントを飾る。
一方、コマースでは、女子ボクシング界で注目を集める逸材、イアナ 『ライトフック・ロクシー』ベルドゥスコが、UFC Fight Passで配信される360プロモーションズの興行に出場。こちらのメインイベントはサドリディン・アフメドフ対エリアス・エスパダス戦で、ベルドゥスコはジェシカ・ラトケ・マルテスと6回戦のフェザー級マッチを行う。
フンドラ(15勝0敗、7KO)とベルドゥスコ(3勝0敗、1KO)はともに23歳だが、キャリアの段階は異なる。フンドラはすでにPFP(パウンド・フォー・パウンド)で世界最高峰の1人とされているのに対し、ベルドゥスコはアマチュア時代に21の国内タイトルと101勝6敗という戦績を残した実績を武器に、その才能をプロの舞台で証明しようとしているところだ。
2023年10月に360プロモーションズと複数年契約を結んだロサンゼルス生まれ・育ちの4世代目ファイター、イアナ・ベルドゥスコは、セシリア・ブレークフス、ライラ・アリ、ルシア・ライカのキャリアを手がけてきたトム・ロフラーの指導のもと、スピード出世を狙っている。
「(フンドラと私は)間違いなく女子ボクシング界の次世代の顔になるわ」と、ベルドゥスコは『ザ・リング・マガジン』のインタビューで語った。「私はガブリエラとはアマチュア時代から一緒に育ってきたし、彼女は本当に謙虚で優しい子。遠くからだけど、私はずっと彼女を応援してる。私たちはこの若さで、すでに大きな注目を集めてる。若くて、速くて、強い。そしてまだまだこれから先が長い。私たちは“新世代”。好きでも嫌いでも、私たちは確実にやってくるのよ。」
クラレッサ・シールズ、ケイティ・テイラー、アマンダ・セラノ、アリシア・バウムガードナー、ローレン・プライス、ミカエラ・メイヤー、キャロライン・デュボアといった面々は、現在の女子ボクシング界を代表する存在とされている。
そんな中で、ハリウッドのワイルドカード・ボクシング・ジムで母親のグロリア・アルバラードの指導を受けているベルドゥスコは、「今のチャンピオンたちとも渡り合える」と自信をのぞかせている。
「順調に成長しているし、アクティブに試合をこなしていきたい」と、約16か月前にプロデビューを果たしたイアナ・ベルドゥスコは語る。「今はコンスタントに試合ができているし、トム(ロフラー)と一緒なら、正しい形でステップアップできると思ってる。彼は私のことを大切にしてくれているし、私やチームが何を求めているかも理解してくれてる。ここから先、自分がどんどん大きな存在になっていくビジョンしか見えない。トムとの関係が互いにとって良いものである限り、ずっと一緒にやっていきたい。私たちは信頼し合ってる。彼は“OG”のひとり。無駄なトラブルのないプロモーターで、そこが私の好きなところ。」
ベルドゥスコはすでに、122ポンド級王者エリー・スコトニー、126ポンド級王者アマンダ・セラノ、130ポンド級王者アリシア・バウムガードナーといった、ジェイク・ポールのMVPプロモーションズに所属するチャンピオンたちに照準を定めている。
プロモーターのトム・ロフラーは、ベルドゥスコが将来的にそうしたタイトルに挑戦できるポジションに立てると確信している。
「ロクシーは“スーパースターの資質”そのものを備えている」とロフラーは『ザ・リング・マガジン』のインタビューで語った。「彼女には“特別な何か”がある。個性があり、カリスマ性があり、そして実際に強い。我々は彼女に大きな期待を寄せている。今後数年で注目度の高い試合に起用され、新世代のスーパースターとして確立されていくはずだ。ロクシーは世界王者への最短ルートを歩める素質があると思うが、決して焦って進めるつもりはないよ。」
ロフラーは、ベルドゥスコがすでにSNS上で大きな人気を誇り、興行面でも成功を収めていると付け加えた。しかし、それ以上に重要なのは、ロフラーとベルドゥスコの両者が、彼女の華々しいアマチュアキャリアで培ったスキルがプロの舞台でもしっかりと通用していることを認識している点だ。
「来年にはチャンピオンになれる準備が整うと思ってる」とベルドゥスコは語る。「ランキングを上げて、チャンスが来ればすぐにでもそこに立てる準備はできてる。もうすでに多くの人に知られているし、あとは上に進むだけ。謙虚さと敬意を忘れずに、それが何より大事だと思うの。今の努力を続けていけば、きっと彼女たちと肩を並べる存在になれるわ。」
Manouk Akopyan は『ザ・リング・マガジン』の主任ライターです。X(旧Twitter)およびInstagramでは @ManoukAkopyan で連絡が取れます。