レジス・プログレイスは、ラスベガスでの初めてのトレーニングキャンプの最初の数週間を乗り越えるのがやっとだった。
母親と共にテキサス州ローゼンバーグの自宅にいる3人の子どもたちに会えないことがつらく、かつてWBA/WBCスーパーライト級王者だった彼は、自分よりも若くハードに努力するファイターたちに囲まれながら、今こそ本当に自分を限界まで追い込むべきタイミングなのかと何度も自問したという。
最終的にプログレイスは、それこそが自分が長年のチーフセコンドであるボビー・ベントンからケイ・カローマへトレーナーを替え、拠点もヒューストンからラスベガスへ移した理由なのだと気づいた。
同じスパーリング相手との繰り返しが自らの成長を妨げていると感じたプログレイスは、10月24日にイングランド・マンチェスターのコープ・ライブ・アリーナで英国のサウスポー、
ジャック・キャタロールに判定負けを喫して以来となる次戦に向けて、準備の仕方を根本から見直す決断を下した。
ニューオーリンズ出身のレジス・プログレイス(29勝3敗、24KO)は、元IBF世界スーパーフェザー級王者の
ジョセフ・ディアス・ジュニア(34勝7敗1分、15KO)と、土曜夜にシカゴで行われる10回戦のセミファイナルで対戦する予定だ。36歳のプログレイスと32歳のディアスは、イリノイ大学シカゴ校内のクレジット・ユニオン・ワン・アリーナから
DAZNで配信されるメインイベント、
ケネス・シムズ・ジュニア(22勝2敗1分、8KO)対
オスカー・ドゥアルテ(29勝2敗1分、23KO)の12回戦の前座として登場する(米東部時間午後8時/英国時間午前1時)。
「今回のキャンプは、精神的にも肉体的にも感情的にも、人生で一番きつかった」とプログレイスは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「こんな経験は今までになかった。トレーニングのためにラスベガスに来たけど、こっちの連中はとにかくハードにやってる。年齢のせいかもしれないけど、こんなにキツい練習は人生で初めてだよ。」
「自分にもう一度チャンスを与えるために、ここに来たんだ。俺の目標は3度目の世界王者になること。そのためにはキャンプを変える必要があると感じた。俺にとってラスベガスは、邪魔が入らないっていう意味でも最適な場所だった……本当に質の高い練習ができる。だから、このキャリアの段階でラスベガスに拠点を移す決断をしたんだ。」
プログレイス自身も、世間の懐疑的な声が自分を“かつてのプログレイス”とは別物と見ていることを理解している。直近2試合で、ジャック・キャタロール(31勝2敗、13KO)と元ライト級4団体統一王者
デヴィン・ヘイニー(32勝無敗、15KO、1ノーコンテスト)に、それぞれ12回判定で敗れたことで、その見方が強まったのは確かだ。タフネスを誇るプログレイスは、ヘイニー戦で1度、キャタロール戦では2度のダウンを喫したものの、それでもなお自分はスーパーライト級で3度目の世界王者になれると強く信じている。
「個人的には、ボクシングでやりたかったことはすべて成し遂げた」とプログレイスは語った。「チャンピオンになって、2度目の王者にもなった。いい金も稼いで、それをうまく投資にも回した。でも今は、それ以上のものを求めてる。俺は歴史を追いかけたいんだ。そして、まだまだやれる力が残ってると分かってる。今の俺は前よりずっと良くなってるし、もっと多くのことを学んでいるところだよ。」
過去2か月のラスベガスでのスパーリングでは、カローマがプログレイスに対し、「もっとボクシングをして、打ち合いは控えろ」と繰り返し指導してきた。プログレイスはその教えを守ることで被弾を抑えられ、ディアス戦でもキャンプで学んだことを実戦でしっかりと発揮する決意を固めている。
ドラフトキングスによると、プログレイスはディアス戦で10対1のオッズで有利とされている。カリフォルニア州サウス・エルモンテ出身のサウスポー、ディアスは、過去8試合で2勝6敗と苦戦が続いている。
「全体的に見て、俺にとってはすごくいい試合になると思ってる」とプログレイスは語った。「復帰戦としても申し分ない。もちろん、相手を甘く見てるわけじゃない。でも同時に、ラスベガスでやってきたトレーニングは、俺の人生の中でも一度もやったことがないようなものだった。スキル面にも重点を置いた内容だったし、確実に成長している実感がある。今回は、自分の技術をしっかり見せたい。過去の自分とはもう違うってことを証明したいんだ。」
Keith Idecは『ザ・リング・マガジン』の上級記者兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。