ピアース・オレアリーが非常にタフな
リアム・ディロンに一方的な判定勝ちを収め、欧州スーパーライト級王座を自身のコレクションに加える。
オレアリーは、140ポンド級デビュー戦となった相手に対して終始プレッシャーをかけ、途中終了勝利を狙い続けたが、彼が切望した決定打を奪うことはできなかった。
それでも、ポートマン・ロードに雨が降り続く中、彼はラウンドを着実に重ねているように見えた。判定では全員のジャッジが妥当な勝者としてオレアリーを支持したものの、ディロンの健闘もスコアに反映される結果となった。
キーラン・マッキャンの採点は接戦となり、オレアリーが115対113で僅差の勝利。一方、マーク・ライソン(116対112)とリー・エブリー(117対112)はやや広めの採点をつけた。それでも、
ファビオ・ワードリー対ジャスティス・フニのヘビー級メインイベントを支えるセミファイナルとして行われたこの試合の勝者に疑いの余地はほとんどなかった。
数ポンド上の階級で控えめな試合をいくつか行った以外は、ディロンはキャリアの大半をスーパーフェザー級で過ごし、2023年には英国王座を獲得している。
しかし、今年3月にライト級デビュー戦で勝利を収めた後、ディロンは再び階級を上げ、140ポンド級でいきなり欧州タイトルに挑戦することを決断した。ただし、その相手が“ビッグバン”・オレアリーだったことで、新階級での挑戦はまさに試練の幕開けとなった。
ドールトン・スミス、
アダム・アジム、
ハーレム・ユーバンク、
ジャック・キャテラルといった実力者たちが近年140ポンド級でしのぎを削る中、この階級は英国ボクシング界でも最も熱いディビジョンの一つとなっている。一方で、オレアリーは、アイリッシュ・シーの向こう側にスーパーライト級の全選手にとって真の脅威が潜んでいることを改めて示してみせた。
リング誌王者テオフィモ・ロペスをはじめ、リチャードソン・ヒッチンズやギャリー・アントゥアン・ラッセルなど多くの実力者が依然としてこの階級に君臨しており、140ポンド級は依然として層が厚く、攻略の難しいディビジョンの一つであり続けている。オレアリーは最近WBCのトップ10にランクインしており、今回のタイトル獲得によりランキング上位への歩みがさらに加速することになる。
オレアリーは試合前の記者会見で、自身のボクシング技術が過小評価されていると語っていた。というのも、パンチ力ばかりが注目されがちだからだ。雨に濡れるポートマン・ロードに乗り込んだ時点で、彼は16戦全勝(うち9試合がKO)だったが、直近4試合のうち2試合は、ケイン・ベイカーやダラ・フォーリーといった実力者を相手に10回戦を戦い抜いていた。
試合は序盤からオレアリーの強打が冴え、初回には頭部とボディに左フックを打ち込み、小柄なディロンを攻め立てた。それでも、70マイル離れたチングフォードからやって来たディロンは粘り強く対応し、試合中盤には下から突き上げるようなアッパーカットで見せ場をつくった。
しかし第5ラウンドにはオレアリーがペースをさらに引き上げ、特に2発の左ボディフックでディロンを苦しめた。ダブリン出身のオレアリーによるボディ攻撃は明らかに相手の動きを鈍らせ、元スーパーフェザー級のディロンがこのパワーに長時間耐えられるとは考えにくかった。
それでもディロンは気力で耐え抜いたが、ラウンドを奪うには至らなかった。彼のパンチはオレアリーに脅威を与えることはできず、オレアリーは試合を通して前進を続け、KO勝利を目指し続けた。
最終的に“ビッグバン”・オレアリーにとってはややフラストレーションの残る夜となったが、欧州王者としてさらなる飛躍に向けた歩みを進めることとなった。