昨年末、
パンヤ・プラダブスリはタイ・バンコクでカルロス・カニサレスと空位のWBCジュニアフライ級王座をかけて対戦し、地元のプラダブスリが12ラウンド判定2-0で勝利する。
この結果に対し、
カニサレス本人を含む多くの関係者が驚きを示し、遠征したカニサレスが王座を奪うには十分な内容だったと感じる。幸いなことに、WBCは即時の再戦を指令し、今度は8月1日にベネズエラのカラカスで開催される試合で、カニサレスが地元の利を得ることになる。
「双方が交渉を重ね、提案を出し合っていた」とWBC会長マウリシオ・スライマンが『
ザ・リング』誌に語る。「ところが突然、どちらの陣営もプロモートに必要なスポンサーの支援を得られなくなった。時間だけが過ぎていく中で、最終的にベネズエラ側が開催の提案を行い、王者パンヤがこれに同意した。」
スライマンは両者が再戦に合意したことを喜んでいる。
「カニサレスは激戦の末に多数判定で敗れた」と彼は語る。「初戦はタイで行われ、再戦はベネズエラで開催される。これだけでも素晴らしいストーリーになる。」
興味深いことに、WBC同級2位の
エリック・バディージョ(17勝無敗、8KO)と7位の
ヘラルド・サパタ(15勝2敗1分、5KO)が、7月11日にWBC 108ポンド級の指名挑戦者決定戦で対戦する予定である。
この勝者が、プラダブスリ対カニサレス戦の勝者への指名挑戦者となる。その試合の日程は、年末にバンコクで開催される予定のWBC年次総会で決定される。
プラダブスリ(44勝2敗、27KO)は、ザ・リング誌のジュニアフライ級で9位にランクされており、2020年11月に長期政権を築いていた同郷のワンヘン・メナヨーティンを破ってWBC王座を獲得するまでに、複数の地域タイトルを手にしてきた。34歳のタイ人王者は、王座を4度防衛し、特にメナヨーティンとの12回戦再戦での判定勝ちや、田中教仁に対する判定勝ちおよび8回TKO勝利が際立っている。
その後、プラダブスリは重岡優大に判定で敗れ王座を失うが、2戦連続の格下相手に勝利して復帰を果たし、カニサレスを下して2階級制覇を達成する。
カニサレス(27勝3敗1分、19KO)は、ザ・リング誌のジュニアフライ級で4位にランクされており、母国を離れWBA王者・田口良一と12回戦で引き分けたことで注目を集める。帰国後に3連勝を挙げて再びアジアに渡り、小西伶弥に判定勝ち、呂賓に12回TKO勝ち、木村翔に判定勝ちを収めて名を上げる。
その後、無名のエステバン・ベルムデスに6回TKOで敗れるという番狂わせを喫するが、4連勝で巻き返し、特に元WBC王者ガニガン・ロペスを4回KOで下し、ダニエル・マテロンとのWBA挑戦者決定戦には技術的判定勝ちを収める。
また、カニサレスは拳四朗とのリング誌/WBA/WBC王座統一戦で善戦するも、最終的には12回判定2-0で敗北。地元ベネズエラでの貴重な試合で勝利を挙げたのち、プラダブスリ戦で惜敗する。
質問やコメントは Anson([elraincoat@live.co.uk](mailto:elraincoat@live.co.uk))宛にアンサーンまで送ることができる。Xでは @AnsonWainwr1ght をフォローする。