アンディ・リーは、パディ・ドノバンがルイス・クロッカーに対して喫した物議を醸す反則負け(DQ)に関する正式な抗議を提出した後、早ければ来週にもIBFから前向きな回答が得られることを期待している。
ドノバンは3月1日、SSEアリーナで開催されたルイス・クロッカー戦で8ラウンドにわたり見事なボクシングを披露。リムリック出身のサウスポーは、第6ラウンドと第8ラウンドにバッティングによる減点を受けながらも、全ジャッジのスコアカードで大きくリードを築いていた。
しかし、さらなる悲劇が待っていた。第8ラウンド終了のゴングが鳴った直後の一瞬、ドノバンがクロッカーを強烈に倒してしまったのだ。これを受けて、レフェリーのマーカス・マクドネルは即座にドノバンを失格処分とし、プロ初黒星を与えた。
ドノバンのトレーナー兼マネージャーであるアンディ・リーは、この判定に激怒し、「強奪だ」と非難。さらに、IBF世界ウェルター級タイトル挑戦者決定戦という重要な場面で試合をこのような形で終わらせたマーカス・マクドネルを「恥辱的だ」と痛烈に批判した。
元WBO世界ミドル級王者のアンディ・リーは、それだけでは終わらなかった。試合からわずか1時間以内に、ドノバンの共同マネージャーであるキース・サリバンがIBFに対し、判定への抗議の意向を通知。
その後、詳細な書面による正式な抗議が、ニュージャージーに拠点を置くIBFに提出され、現在はクロッカー陣営の対応を待っている。
現在、アンディ・リーはIBFが即時再戦を命じることを期待しており、ドノバンがベルファストでの「誤審」を正す機会を得られることを願っている。
「正式な抗議を提出した」とリーは『ザ・リング』に語った。
「そして、この抗議は非常に強力なものになっている。私と共同マネージャーのキース・サリバンが、パディのために提出した。内容は非常に綿密で、多くの証拠を揃えている。」
「正直なところ、最終的な結果がどうなるかは分からない。だが、できる限り最善の対応をした。それが我々にできる全てだ。あとは結果を待つだけだ。私の理解では、来週には結論が出るはずだ。」
判定がノーコンテスト(NC)に変更されるべきかと問われた際、リーは次のように答えた。
「もしこの判定が覆らなければ、それはそれで仕方ない。正直、気にしていない。なぜなら、パディは判定を除くあらゆる面でクロッカーに勝っていたからだ。私たちは彼のパフォーマンスを誇りに思っている。」
「でも、人々は正義が貫かれることを望んでいるし、パディが本来勝つべきだった試合の結末を、今度こそ正しく迎えることを期待している。
みんな物語やドラマを求めている。それこそが、今の時代にビッグファイトを生み出す要素なんだ。
パディは、クロッカーにもう一度勝つ必要はない。ただ、この試合には物議があり、多くの人が“間違いを正す”瞬間を見たいと願っているんだ。」
ドノバンとクロッカーは、現在『リング』マガジンのウェルター級No.1にランクされているIBF王者ジャロン「ブーツ」エニスへの挑戦権をかけた最終選定試合(ファイナル・エリミネーター)で対戦していた。
エニスは、4月12日にアトランティックシティのボードウォーク・ホールで、WBA王者エイマンタス・スタニオニスとの統一戦を予定しており、この試合では『リング』マガジンの147ポンド(ウェルター級)王座も争われる。
エニスが勝利した場合、王座を返上して階級を上げる可能性があると噂されている。
もしエニスがIBF王座を返上すれば、IBFがドノバン vs. クロッカーの再戦を指示し、空位となったタイトルを争わせる可能性もある。
「それは興味深いシナリオだね」とリーは語った。「もしブーツ(エニス)が勝って王座を返上すれば、ドノバンとクロッカーがそのベルトをかけて再戦する可能性がある。
でも、それが確実に起こる保証はどこにもない。」
「まずブーツが試合に勝つこと、そしてすぐに王座を返上するかどうか、この2つの要素が関わってくる。
でも、今のところそれは**我々の優先事項ではない。今はただ、抗議の結果に集中し、それを次のステップにつなげることに全力を注いでいる。」