ディエゴ・パチェコは、
ケビン・レレ・サジョの戦績に対して特に感銘を受けていない。
カメルーン出身の挑戦者サジョは26戦無敗、うち23戦をKOで終わらせている。2017年6月のプロデビュー以来の数字ではあるが、パチェコはその“KO率”が誤解を招くものだと考えている。なぜなら、サジョが破ってきた相手のレベルが非常に低く、特にEBUスーパーミドル級王座を保持したこともある35歳のファイターとしては不釣り合いだからである。
サジョが最初に倒した11人中10人は負け越しの戦績だった。また直近5勝のうち3勝は、少なくとも9敗以上を抱える相手に対するものだった。
24歳のパチェコは、土曜夜に対戦するサジョが、これまで向き合ったことのない初の無敗ボクサーとなる。試合はカリフォルニア州ストックトンのアドベンティスト・ヘルス・アリーナから、
DAZNで配信される
12回戦のメインイベントとして開催される(東部時間午後8時/太平洋時間午後5時)。
サジョが実質的な実力者と戦った経験がほぼ無いことを踏まえても、パチェコは前戦のトレバー・マカンビー戦よりも“戦いに来る”タイプだと予想している。
パチェコは、7月19日にテキサス州フリスコでマカンビーに判定勝ちした際、3人のジャッジから120-108、119-109、119-109という完勝の採点を受けている。
「ケビン・レレ・サジョは本当に勝ちに来るし、本当にパンチを振ってくる。その姿勢こそが、KOを生む隙を作ることになる」とパチェコは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「サジョは(マカンビーより)もっとクレイジーなファイターだと思う。危険に突っ込むことなんて気にせず、ただ前に出てくるタイプだ」
「彼は下り坂のように前に突進し続けるファイターだから、今回もひたすら前に来るだろう。正直なところ、彼にはサプライズがある。今回、彼らが全く予想していない新しいディエゴ・パチェコを見せるつもりである」
ロサンゼルス出身のパチェコ(24勝0敗、18KO)は、テレンス・クロフォードが保持するWBO王座の挑戦権ランキングで3位につけている。一方、長年フランスを拠点に生活・トレーニングしてきたサジョはWBOランキング8位に位置しているが、パチェコ自身は「なぜなのか分からない」と語る。
「彼のBoxRecを初めて見たとき、あの年齢でまだあのレベルの相手と戦っていることに驚いた」とパチェコは語った。「今回の試合は彼にとって大きなステップアップである。むしろ、自分より彼のほうが大きな飛躍になるだろう。ここ数戦で自分が戦ってきた相手を考えれば当然である。ただし、もちろん彼を軽視しているわけではないし、油断なんてしていない。彼はパワーもKOも多い良いファイターだ」
「だが、彼のKOの多くは、目の前に立ち続けている相手を倒したものだ。私は誰の正面にも突っ立っているタイプではない。私はボクシングをし、ジャブを非常に上手く使う。今回の試合でもそのスタイルで戦うつもりである」
望んでいるタイプの試合がなかなか組まれない状況にフラストレーションを抱えているパチェコだが、『The Ring』誌のランキングでは5位につけている。彼は今年最初の2試合でマカンビー(28勝2敗、21KO)とスティーブン・ネルソン(20勝2敗、16KO)を相手に12ラウンドのフルラウンドを経験しており、2025年を鮮やかなKOで締めくくりたいと考えている。
「自分はKOアーティストだと思っているし、この階級で最もハードパンチャーの一人だと思っている。だから今年まだKOが一つもないなんて、自分でも信じられない。12月13日にKOを決めたい」とパチェコは語った。「ただ、KOを狙いに行くと大抵うまくいかないことも学んだ。だから、自分のボクシングをして、支配していけば、KOは自然と訪れると思う」
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@
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