オシャキー・フォスターは土曜の夜、キャリアで最も意味のある一戦だと語る試合で、完璧と言っていいパフォーマンスを見せた。
フォスターは、本来なら自分が王者として迎えるはずの試合なのに“Bサイド扱い”されたことに不満を抱いていた。
スティーブン・フルトンの軽視するような発言、
そして契約体重130ポンドをクリアできなかったことも、彼をさらに燃え上がらせた。普段以上のモチベーションで証明しに来たフォスターは、サンアントニオのフロスト・バンク・センターで行われたアイザック・クルス vs ラモント・ローチのPPVアンダーカードでマスターピースのような試合運びを披露し、フルトンを支配。
ジャッジのエスター・ロペス(118-110)、ダグ・ロビンソン(119-109)、クリス・テレズ(117-111)もその圧勝ぶりを明確に示した。
フォスター(32歳)は13か月ぶりの試合で、WBCライト級暫定王座を獲得。テキサス州オレンジ出身のフォスター(24勝3敗、12KO)は本来、WBCスーパーフェザー級王座の防衛戦としてリングに上がる予定だったが、フルトンが前日計量で2ポンドオーバーしたため状況が一変した。
WBCは不可解にも、すでにリカルド・ヌニェス対ジャディエル・ヘレラの暫定王座戦(1月10日、ニューヨーク開催)を承認していたにもかかわらず、このフォスター対フルトンを135ポンドの暫定王座戦として後から認可した。
フィラデルフィア出身のフルトン(31歳)は、3階級制覇を狙う挑戦に失敗。彼はこれまでスーパーバンタム級とフェザー級で世界タイトルを獲得している。
土曜の夜以前にフルトンを倒した唯一の相手は、スーパースター井上尚弥。2023年7月、東京での王座統一戦で井上が8ラウンドTKOを収めていた。
10〜12ラウンド、フォスターは主にサウスポーで構え、ジャブを武器に試合を支配し続けた。フルトンはチャンピオンシップラウンドに入る頃には、大差判定負けを受け入れたような表情を見せていた。
9ラウンド序盤、フォスターの左がヒットし、フルトンが後退。フルトンはこのラウンドで口から出血し、採点でも大きく引き離されていく。
8ラウンド開始40秒、フォスターのストレート左がクリーンヒット。フルトンは序盤こそ攻める姿勢を見せたが、フォスターにリズムを完全に崩される。
4ラウンドではフォスターがサウスポーにスイッチ。動きと回避の巧さでフルトンをイラつかせ、試合の主導権を握る。
3ラウンドでは、より鋭さを増したフォスターがジャブで試合を支配し、フルトンは手を出すのに苦労していた。
2ラウンドのフォスターは手数こそ増えたものの、どちらも決定打らしいパンチは出せなかった。
1ラウンドでは残り40秒あたりでフルトンが踏み込んで左フックをヒット。その直後、フォスターも右を当て返し、両者とも探り合いのタクティカルな3分となった。
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライター兼コラムニスト。Xでは @idecboxing で連絡が取れる。