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オスカー・コリャソ、軽量級にもビッグマネーを求める
コラム
Corey Erdman
Corey Erdman
RingMagazine.com
オスカー・コリャソ、軽量級にもビッグマネーを求める
「2025年のメジャーリーグシーズンのヤンキースの展望は?」と聞かれるや否や、オスカー・コリャソは思わず両手で顔を覆った。

子どもの頃、彼は長年、ブロンクス・ボンバーズ(ニューヨーク・ヤンキース)のショートを夢見ていた。それは、彼がストロー級(105ポンド)で近年最も破壊力のある“ボンバー”の一人になるずっと前の話であり、その熱狂ぶりは今でも変わらない。

「どうして毎年ケガ人が出るのか分からないし、どうやってドジャースに勝てばいいのかも分からないよ。でも……まだ信じてる」
そう言いながら、彼は頭を振った。

ワールドシリーズでドジャースのような強豪に勝つ道を探すのは、コリャソにとって、105ポンド級により大きな注目と敬意をもたらすという個人的な使命と同じくらい困難なことに思える。そして実際、彼が今直面している問題は、かつて“ピンストライプのユニフォーム”を追いかけていたときと同じ――「小さすぎる」と思われていることだった。

今週土曜日、オスカー・コリャソは『ザ・リング・マガジン』認定ストロー級王座の初防衛戦を迎える。相手はエドウィン・カノ。試合はウィリアム・セペダ対テビン・ファーマー戦をメインとするDAZN配信イベントのセミファイナルとして行われる。

この興行での位置づけ自体――正直に言えば、セペダ対ファーマーの再戦はトップビルにふさわしい素晴らしい試合であることに疑いはないものの――コリャソや同階級の選手たちが直面している現実を象徴している。もしこれが118ポンド以上の階級だったなら、『The Ring』王座と複数団体統一王座がかかった試合は、まず間違いなくメインイベントとして大きな注目を集めていたはずだ。

だがコリャソは、自身が今追いかけている“偉大な前任者たち”と同じように、ストロー級という階級のイメージを根本から変えたいと願っている。

前戦でコリャソは、当時ボクシング界で最長の世界王座在位期間を誇っていたノックアウト・CP・フレッシュマートを、サウジアラビア・リヤドでの第7ラウンドTKOで撃破。長らくフレッシュマートが握っていた『The Ring』王座をついに奪取した。だがそれと同時に、この王座の停滞も終わらせたのだった。

フレッシュマートは11度の防衛に成功したが、その間タイ国外での試合は2度しかなく、欧米の主要放送局がタイ発のボクシングを中継することは長年なかった。熱心なファンなら、タイのチャンネル7のYouTubeチャンネルで無料で観戦できるが、一般的なボクシングファンがそこにアクセスする習慣はない。

さらに長年ボクシング界にはびこる“暗黙の偏見”――すなわち「バンタム級未満の階級はレベルが低く、注目に値しない」という固定観念――がこの階級の評価を著しく低下させてきた。この10年あまり、ストロー級は認知と敬意を求めて苦闘してきたのである。


「マイケル・カルバハルの時代のように、何百万ドルも稼げて、ちゃんとした報酬を手に入れられるようにしたいんだ。それが俺の望みだよ」
とコリャソは語る。
「みんな“軽量級はつまらない”“パワーがない”って言うけど、俺はその考え方を変えたい。自分がその変化の象徴になりたいんだ。チョコラティート(ゴンサレス)やカルバハルのように、俺たちも大金――何百万ドルという報酬を手に入れたい。それが俺のこの階級でのビジョンなんだ。」

ストロー級、あるいはその近辺の軽量級に「迫力がない」「パンチ力が足りない」といったイメージを持つ人たちの主張は、良くて“知識不足”、悪ければ“無知による偏見”に過ぎない。

2014年にフランシスコ・ロドリゲスJr.と高山勝成が1,913発のパンチを打ち合ったあの激闘を観た者が、「この階級は退屈だ」などと言えるはずがない。むしろ、軽量級のほうがよりアクションが多く、エンターテインメント性が高いと感じる人も多いはずだ。

そして、過去6戦中5試合をKOまたはTKOで終わらせているコリャソの試合を観た人なら、彼のパンチに“破壊力がない”とは到底言えない。

「115ポンド以上になると、人々は“おお、すごい”って反応し始める。でもさ、今その階級にいるビッグネームたちだって、最初はみんな105ポンドや108ポンドからスタートしてるんだよ」
と、コリャソは冷静に語った。

露出の少なさ以外にも、ストロー級が注目を集めにくい理由はいくつか存在する。そのひとつが、階級としての“歴史の浅さ”だ。ストロー級は1987年に創設されたばかりのボクシング界で最も新しい階級であり、ファンにとっての歴史的な参照点が少ない。そのため、ストーリー性や語り継がれるレジェンドの数も限られている。

たとえば、同階級の歴代最高傑作とされるリカルド・ロペスやイバン・カルデロンでさえ、アメリカのケーブルテレビではペイ・パー・ビューや有料チャンネルのアンダーカードとして扱われることが多く、注目されづらかった。カルデロンに至っては、キャリア終盤になってようやくメインイベントとしてPPVを飾ることができたが、それもインディーズ系の配信会社「Integrated Sports」が独自に提供したものだった。

また、ストロー級には“定着の難しさ”という構造的な問題もある。ロペス、カルデロン、そしてフレッシュマートのように長期にわたって105ポンド級にとどまった選手はむしろ例外で、大半の選手はこの階級を「通過点」としてキャリア初期に経験し、その後は自然と体重が増えるか、より高額なファイトマネーを求めて上の階級に移っていく。

これはまさに“鶏が先か、卵が先か”という構図だ。しかし、オスカー・コリャソはそのループを断ち切り、自分こそが“頂点の鶏(チョック)”=この階級における絶対的存在になることを目指している。そして、ほかの王者や新進気鋭の選手たちが「彼と戦いたい」と思うような存在になり、さらには若手たちが「105ポンドに留まりたい」と思えるような魅力を作り出したいと願っている。

特にコリャソが望んでいるのは、メルビン・ジェルサレムや重岡兄弟との対戦だ。階級を上げてビッグネームや高額ファイトを追いかけるのではなく、「彼らをこの階級に呼び寄せる」ことにこだわっている。上位階級に見られるようなライバル関係や系譜を、ストロー級にも築いていきたいのだ。

「あとはいろんなプロモーターたちの後押しがあればいいんだ。オスカー・デ・ラ・ホーヤやミゲール・コットー、そして軽量級の選手を抱えてる全てのプロモーターたちに、この階級への考え方を変えてほしい」
とコリャソは語る。

「違いを生み出すためにね。俺たちも苦しんでるし、ボクシングをしてる。140ポンド、147ポンドの選手たちと同じように、俺たちも体を削って戦ってるんだ。パンチだって、同じように痛いんだよ」

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