【モントリオール】──エル・ティグレが咆哮した。
高い評価を受けるジュニアウェルター級のジョン・オロビオが、タフなアルゼンチン人セバスチャン・エセキエル・アギーレを圧倒し、モントリオール・カジノで行われたESPN+およびPunchingGrace.com配信の8回戦でユナニマス・デシジョン(3者ともに80-71)勝利を収めた。
オロビオ(13勝0敗、11KO)は、プロキャリアで2度目となるフルラウンドを戦い抜いたが、試合を通じて終始主導権を握り、試合を完全にコントロールした。
現在はモントリオールに居を構え、名コーチのマーク・ラムジーのもとでトレーニングを積むコロンビア出身のオロビオは、試合開始からアグレッシブに攻め立て、アギーレ(19勝7敗、12KO)を早くも揺さぶった。しかしラウンド終盤、危険な右のパンチを頭部に浴びる場面もあったが、まったく動じることなく即座に反撃し、アギーレを後退させた。
そこから先は、オロビオが堅実なディフェンスを保ちながらも試合の主導権を握り続け、鋭いジャブを軸にしつつ、容赦ないボディ攻撃も織り交ぜてアギーレを攻め立てた。しかし、これまで同門のスティーブ・クラゲットに一度だけストップされた経験を持つアギーレは、どれだけ打たれても倒れなかった。
最終ラウンド終盤、オロビオはアギーレを追い詰めたが、アギーレは最後まで耐え抜き、ゴングを聞いた。
同イベントのミドル級では、アレクサンドル・ゴーモンがマティス・ロウレンコを4回TKOで下した。
ゴーモン(13勝0敗、9KO)は序盤に試される場面もあったが、ジャブをうまく使ってロウレンコ(13勝6敗3分、6KO)に自由を与えなかった。フランス人のロウレンコは内側に入り込もうと狙っていた。
しかし試合の終わりは突然訪れた。ゴーモンは頭部とボディに3連打を放ち、強烈な右アッパーカットを決めると、ロウレンコは大きく崩れ落ちた。驚くべきことにロウレンコはなんとか立ち上がったが、足元がふらついていたため、レフェリーのアラン・ヴィルヌーヴが第4ラウンド1分40秒で試合をストップした。
また、スーパーミドル級の注目株モレノ・フェンデロ(10勝0敗、8KO)は、ウクライナのミコラ・ヴォヴク(15勝6敗、9KO)を2回TKOで下し、好調を維持した。
8回戦としては2戦目となるフランスのモレノ・フェンデロは、ヴォヴクに対して圧倒的な力の差を見せつけ、2度のダウンを奪った末に、レフェリーのイヴォン・グレが試合をストップ。フェンデロの勝利は第2ラウンド、時刻 x.xxで決まった(※公式発表待ち)。
また、アマチュアで活躍したエリック・イスラエリアンはプロデビュー戦で快勝。第1ラウンドにリチャード・ベルナート(0勝2敗)をストップし、華々しいスタートを飾った。
20歳のエリック・イスラエリアンは、2022年世界ユース選手権で金メダルを獲得した逸材。今回のジュニアライト級デビュー戦では、リチャード・ベルナートを2度ダウンさせた末、ボディショットで1ラウンド1分34秒にTKO勝ちを収め、鮮烈なプロ初戦となった。
一方、カナダのオリンピック銅メダリスト、ワイアット・サンフォードもこのイベントでプロデビューを予定していたが、対戦相手のショーン・アーチャーが出場できず試合は中止に。現在、新たな試合日程が調整されている。
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