新たに4団体統一王者となったドミトリー・ビボルが今後の選択肢を検討する中、IBF世界ランキング2位のライトヘビー級コンテンダー、コナー・ウォレスは、年内に王座が分裂することを見越して、精力的に試合をこなしている。
IBF世界クルーザー級王者ジャイ・オペタイアがイタリアのクラウディオ・スクエオ(17勝無敗、9KO)を迎えて防衛戦を行う5月中旬の興行のアンダーカードとして発表されていたウォレスの試合カードにおいて、その対戦相手が明らかになった。
ウォレスは、同大会のセミメインイベントとして、フランスのディラン・コリン(14勝1敗、4KO)と対戦する予定である。試合はオーストラリア・ブロードビーチのゴールドコースト・コンベンションセンターで開催され、DAZNで全世界に生中継される。
このカードの発表は『BoxingScene』が最初に報じた。
コリンは、昨年12月22日に行われたウクライナのオレクサンドル・ウシク対タイソン・フューリーの再戦のアンダーカードで、ウシクと同じ陣営に所属するダニエル・ラピン(11勝無敗、4KO)との10回戦で判定負けを喫し、キャリア初黒星を喫して以来の再起戦となる。
また、同大会では、ベン・マホニー(15勝無敗1分、8KO)の復帰も発表された。マホニーは今年1月に行われたオペタイア対ニイカの前座でファン・ジャンに10回戦で判定勝ちしており、今回の試合ではジョーファー・モンタノ(19勝5敗2分)と対戦し、IBFインターコンチネンタル・スーパーウェルター級王座を懸けて10回戦を行う。
北アイルランド出身でオーストラリア在住のウォレス(15勝1敗、11KO)は、昨年8月にニュージーランドを拠点とするイギリス人、ジェローム・パンペローネ(19勝2敗、12KO)との接戦をスプリット判定で制したことで、IBFのランキング上位に躍り出た。
この試合は、IBFの2位指名挑戦者決定戦でもあり、それ以前の4月には、ロンドン出身のライトヘビー級選手マリク・ジナドとの試合でマジョリティ判定負けを喫していた。その5週間後、当時無敗だったリビアのジナドは急遽、ビボルとの世界戦に抜擢され、ビボルは実に6年ぶりとなるKO勝ちを収めた。
現在、IBFにおけるビボルの指名挑戦者はドイツのミハエル・アイファート(13勝1敗、5KO)であり、彼は元王者アルトゥール・ベテルビエフとの再戦に向けてステップアサイド・マネーを受け入れた上で、10月12日の再戦を目指している。
4団体統一を維持するには、ビボルは三部作の完結やWBA・WBC暫定王者デビッド・ベナビデスとのキャリア最高額のファイトを回避する必要がある。
WBCのマウリシオ・スライマン会長によると、そうでなければ、IBFが最も厳格な指名規定を持つため、タイトル剥奪の可能性が高い。その場合、IBFはアイファートとウォレスに対して、空位となった王座を懸けての試合を指令することになるだろう。
この機会に感謝の意を示したコリンは、次のように語っている。 「オーストラリアでIBF2位のコナー・ウォレスと戦うのは素晴らしいチャンスだ。オペタイアと並ぶセミメインイベントに出場できるのは光栄で、彼とは前回のサウジアラビア・リヤドでの試合時に会ったことがある。ウォレスはタフなアイリッシュファイターで、サウスポー同士の戦いになるが、前戦のラピン戦で貴重な経験を積んだ。」
また、ベテルビエフとのトレーニング経験を持ち出し、今回の試合で番狂わせを起こす準備が整っていると自信を見せた。ウォレスにとっては、世界戦への足がかりとなるだけに、今回の試合でのつまずきは避けたいところだ。
ウォレスは2024年に3試合をこなし、これはIBFライトヘビー級上位10選手の中でも最多である。無敗だったジャック・ギップ(当時7勝)を6ラウンドでTKOし、キャリア最高の勝利とされたパンペローネ戦の判定勝ちを経て、さらにアセマーレ・ウェレム(7勝0敗1分)を8回TKOで下した。
また、唯一のキャリア黒星を喫したレティ・レティ(18勝2敗、14KO)に約1年半後に再戦で雪辱を果たしており、プレスリリースでは、勢いを維持する重要性についても語っている。
「ディランは手強い相手で、油断はできない。世界タイトル挑戦が視野に入る中、どの試合も重要だ。5月13日の試合に全神経を集中させ、目標に向かって確実に前進する内容を見せたい。」