ラスベガス発 —
オマール・サルシードに、土曜夜、思いがけず大きなチャンスが舞い込んだ。
『ザ・リング・マガジン』は、メキシコのライト級選手オマール・サルシードが、アンヘル・フィエロの代役としてアイザック・クルスの対戦相手に決定したことを金曜朝に確認した。フィエロは再戦を目前に控えていたが、減量中に体調不良を訴え、
金曜朝にラスベガスの病院に搬送されたと『ザ・リング・マガジン』のマイク・コッピンジャーが報じた。フィエロは、MGMグランド・ガーデン・アリーナで予定されていたアイザック・クルスとの140ポンド契約によるスーパーライト級再戦に向けて、厳しい減量を行っていた。
「まずは、ラスベガスに足を運んでくれたファンの皆さん、ピットブル(クルス)とそのチーム、そしてこの試合に関わったすべての方々に謝罪します」と、フィエロのトレーナーであるロバート・ガルシアはX(旧Twitter)にて投稿した。「今朝、私は
アンヘル・フィエロにこれ以上の減量を許さないという決断を下し、病院へ連れて行くようチームに指示しました。私には、選手を試合に向けて仕上げる責任だけでなく、彼の安全を守る責任もあります。残り数ポンドの減量は彼にとって非常に危険だったため、試合からの撤退を決断しました。改めて、関係者の皆様に謝罪申し上げます」
代役となったサルシード(20勝2敗、14KO/カリフォルニア州レイクサイド出身)は、当初、パッキャオ対バリオスのアンダーカードにて、テレビ放送・配信のない前座試合で、ネバダ州ノースラスベガス出身のブライアン・ガジェゴス(8勝1敗、6KO)と対戦する予定だった。しかし、メキシコ・エルモシージョ生まれのサルシードが、極めて短い準備期間で遥かに厳しい試合を受け入れたことで、クルスは過酷なトレーニングキャンプを経て準備してきたこの大会のPPV枠で試合を行えることとなった。
当初、サルシードとガジェゴスの試合は8回戦として予定されていたが、今回のクルスとの試合は10回戦で行われる。クルスは元WBAスーパーライト級王者で、ハードパンチャーとして知られている。
クルス(27勝3敗1分、18KO/メキシコシティ)とフィエロ(23勝3敗2分、18KO/ティファナ)による再戦は、もともと12回戦で組まれていた。両者は今年2月1日、T-モバイル・アリーナで行われたデビッド・ベナビデス対デビッド・モレル・ジュニアのアンダーカードにて、年間最優秀試合候補に挙げられる激戦を繰り広げ、クルスが10回判定勝ちを収めていた。
サルシードは前戦で、キューバのライト級ホープである
アンディ・クルス(6勝0敗、3KO)と対戦。1月25日にラスベガスのコスモポリタンで行われた10回戦で、判定負けを喫している。
プロキャリア7年で22戦を戦ったサルシードは、一度もKO負けの経験がない。25歳の彼が最も大きな勝利を挙げたのは、昨年10月16日、フロリダ州プラントシティで行われた試合で、元WBA暫定スーパーフェザー級王者クリス・コルバート(17勝3敗、6KO)を9回TKOで下した一戦である。
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@
idecboxingで連絡可能。