ロンドン(イングランド)――
オレクサンドル・ウシクは今夜、ウェンブリー・スタジアムで行われる
ダニエル・デュボアとの一戦に臨み、
『The Ring』誌認定および4団体統一世界ヘビー級王座をかけた歴史的勝利を狙う。
両者はすでに2023年8月に一度対戦しており、その際はウクライナ出身のウシクが9ラウンドTKOで勝利を収めた。あれからデュボアは見事に再起を果たし、現在は自身も世界王座を保持している。
メインイベントはイギリス時間午後10時(東部標準時午後5時)頃開始予定だが、その前に全5試合からなるアンダーカードが組まれており、ここではその模様をライブでお届けする。
以下、ウェンブリー・スタジアムからの試合結果速報を随時更新中。
ラピン、エドモンドソンとの10ラウンド戦を僅差で制す
11戦無敗同士のライトヘビー級注目カードでは、ダニエル・ラピンがルイス・エドモンドソンを僅差で下し、10回戦を制した。
スコアは96-94が2者、95-95が1者と割れたが、ラピンがマジョリティ・ディシジョンでIBFインターコンチネンタル王座の初防衛に成功し、さらにWBOインターナショナル王座も獲得した。
両者の体格差は開始直後から明らかであり、ラピン(12勝0敗、4KO)は身長でエドモンドソンを大きく上回り、リーチも5インチ長いアドバンテージを活かして主導権を握ろうとした。
エドモンドソン(11勝1敗、3KO)は後退しながらカウンターを狙う戦法を取り、初回にはラピンをロープ際に追い込む場面もあったが、第2ラウンドでは距離を詰めきれず、ラピンのカウンターに阻まれた。
第2ラウンドでは接近戦でフックの応酬が見られ、第3ラウンド終盤にはエドモンドソンの動きもやや柔軟さを見せ始め、第4ラウンド残り1分には鋭い右ストレートを決めた。
試合は中盤に差しかかっても大きな展開には至らず、両者の成功の場面も断続的で、ラピンのジャブが機能しない一方で、エドモンドソンは接近戦で泥臭く勝負する展開が続いた。
第7ラウンドではエドモンドソンがやや優位に立ち、その流れで迎えた第8ラウンドでは両者がもつれ合う場面も増え、ラピンが2度ロープに詰まり、英国人王者は反則気味のパンチを放ったとしてマーカス・マクドネル主審から警告を受けた。
29歳のエドモンドソンはパワーパンチを振り回しながらウクライナ人挑戦者を後退させたが、ラピンはボディへの攻撃を重ねて応戦した。
第9ラウンド冒頭、ラピンは観客の声援を受けながらコンビネーションを決め、会場の熱気が高まった。30分間の戦いでは決定的な差がつかず、結果は判定に委ねられた。
デイカーズ、シレンコに判定勝ち
ソロモン・デイカーズ(10勝1敗、3KO)は、2024年末にデビッド・アデレイに初回KOで敗れて以来、リングから遠ざかっていたが、今夜のウェンブリーでのウラジスラフ・シレンコ(22勝1敗、19KO)戦で見事に再起を果たした。
判定は、99-91、98-92、99-92と、いずれもデイカーズを支持する内容であった。
試合序盤から、シレンコは可能な限りデイカーズにプレッシャーをかけ続けようとしていたのは明らかだった。バーミンガム出身のデイカーズは、序盤数ラウンドにわたり常に後退しながらジャブと右ストレートを打ち続けた。
2ラウンド目には、シレンコがデイカーズの側頭部に複数の強打を浴びせた場面もあったが、ホームファイターであるデイカーズは、ウクライナ人のジャブに対して力強い右ストレートで応戦した。
ラウンドが進むにつれて、デイカーズは試合のテンポに慣れ、シレンコがガードの甘いまま前に出てくるのに対して、カウンターを的確に決め始めた。
第7ラウンドを迎える頃には、両者ともに疲労が色濃く表れていた。デイカーズはこれまでにかなりのフットワークを見せており、一方でシレンコのリングカット能力は明らかに鈍っていた。
第8ラウンドでは、デイカーズがボディを積極的に狙い、守りを固めた試合運びを展開した。シレンコはここまで目立った有効打を一度も記録できていなかったが、その前進スタイルによってデイカーズに動きを強いた。
試合終盤の第9ラウンドでは、デイカーズがこの日最も強烈な一撃を披露。ストレートの右を打ち抜き、シレンコの頭を大きくはじき返した。
最終ラウンドでは、デイカーズがシレンコの攻撃を巧みにかわし、中盤には左フックから右ストレートのコンビネーションでさらに有効打を加えた。
試合終了のゴングが鳴る頃には、デイカーズが勝利を手にすることは誰の目にも明らかであった。

ハーメド、グレゴレスに判定勝ち
アダム・ハーメドは、エセキエル・グレゴレスとの4回戦で判定勝ちを収め、無敗記録を維持した。伝説的ボクサー、ナジーム・ハーメドの息子であるアダムは、2023年8月に行われたウシク対デュボア第1戦のアンダーカードでプロデビューし、ヴォイテック・フルディを初回TKOで下していた。
今夜は、これまでにキャンベル・ハットン、ライラン・チャールトン、マイケル・ゴメス・ジュニアらとも拳を交えてきたジャーニーマン、グレゴレスとの一戦で、フルラウンドを戦い抜いた。現在では百戦錬磨のアルゼンチン人であるグレゴレスは、巧みな試合運びで大きなダメージを受けることなく、試合終了のゴングを聞いた。

グルリ、5ラウンドでフランシスをストップ
ジョージア出身のラシャ・グルリ(2勝0敗、1KO)は、プロ2戦目をTKO勝ちで飾った。5ラウンド開始前にジェームズ・フランシス陣営が棄権を申し出た形となった。グルリは初回のゴングから試合を完全に掌握し、ジャブと右ストレートで力の差を見せつけながらフランシスのリズムを徹底的に崩した。
4ラウンドには、グルリが鋭い右ストレートを2発決め、フランシス(7勝2敗、1KO)はロープ際まで後退。これを受けてセコンドは試合続行を断念し、5ラウンド開始前に棄権を選択した。
