ロンドン・ウェンブリー・スタジアムの豪華なホスピタリティスイートの奥深く、オレクサンドル・ウシクは椅子に身を乗り出し、狂気じみた笑みを浮かべながら、18か月前にダニエル・デュボアが浴びせたローブローについて、何度目か分からない質問を受けていた。
ザ・リング・マガジン、WBC、WBA、WBO世界ヘビー級王者であるウシクに対して、24時間前にプロモーターのフランク・ウォーレンが「ウシクはボディを嫌がる」と発言したことが伝えられた。
事実、ウシク(23勝無敗14KO)は、キャリア23戦の中で何百発ものボディショットを受けてきたが、現在IBF世界ヘビー級王者のデュボア(22勝2敗)との初戦で起きたあの論争以外、ボディで崩れることは一度もなかった。
「俺にも弱点はある。だけど、それを知るのは俺だけだ」と、ウシクは邪悪な笑いを真似しながら言った。「誰にも言わないし、教えない。」
「その弱点は卵の中に隠され、その卵は犬の中に、犬はドラゴンの中に隠されている。だから、見つけることは不可能だ。」
ウシクがイギリスのボクシング記者たちと会話する1時間前、同じように豪華なスイートルームで、7月19日にウシクと再戦するデュボアも、ボディショットとローブローについて挑発的な発言をしていた。
「俺のパンチは貫通した」と27歳のデュボアは語った。「神の一撃だった。」
このコメントを伝え聞いたウシクは、ため息をついた。
「神のご加護を、ダニエル。神のご加護を、兄弟よ。そんなことは言うべきじゃなかった」とウシク。
ヘビー級で二度、クルーザー級で一度、世界四団体統一王者を目指すというモチベーションについて語るウシクだが、9ラウンドで倒したデュボアが、あたかも自身のキャリアに傷をつける存在のように扱われていることに、どこかうんざりしている様子だった。
デュボア戦以前、ウシクはアンソニー・ジョシュアとの2度の試合でヘビー級王座を獲得・防衛した。デュボア戦後には、タイソン・フューリーとの連戦で無敗を維持し、四団体統一王座の座を守った。
そのすべてを、母国ウクライナが2022年2月のロシア侵攻以降、戦禍に見舞われる中で成し遂げたのである。
しかしウシクの心の中では、祖国の苦境がキャリアに影響を与えたわけでも、より強くなるための動機となったわけでもない。
「今自分に起きていることは、生まれる前からすべて書かれていたことだ」とウシクは語る。「神から与えられるすべてを受け入れている。」
「俺も夢を見るよ。眠る前にはこう祈るんだ。『父よ、今日という素晴らしい一日をありがとう。明日もまた目覚め、働く機会を与えてください』って。」
「多くの人が金を持ち、車を持っているけど、それだけじゃ満たされない。『もっと、もっと』と求め続ける。そうじゃなくて、『車も、時計も、家もある。神様、ありがとう』って言うべきだ。」
「俺は今日も『ありがとう、神様。チャンスと時間、力をくれてありがとう』と感謝する。ボクシングは俺の人生だ。でも、すべてではない。俺の人生はイエス様のものだ。ボクシングも、家族も、チームも、すべてが神からの贈り物だ。」
ウシクは、ボクシングをまだ手放すべきではない贈り物だとも考えている。38歳となった今、デュボアに再び勝利し、三度目の四団体統一王座を手に入れたとしても、彼の闘志はなお燃え続けている。
「『お前はクルーザー級、ヘビー級で統一したし、そろそろ引退か?』って言われるけど…」と彼は続ける。
「いや、聞いてくれ。なぜやめる? 母さんはボクシングを続けてほしくないと思ってる。だけど俺はこう言うんだ。『母さん、飯を食べたいか? だったら俺は働かなきゃならない』ってね。」